推し活の魅力と危険性を語る物語ですが、その前に「犯人は誰なのか?!」に引き込まれる。非常に巧みな物語です。主人公の女性の一人称で進行していきますが、その女性と共に「有馬温泉のホテル」という閉ざされた空間を移動しているような幻想を覚えます。「温泉ならではの小道具」も効いています。
この作品はミステリーですが、ミステリーとしての面白さもさることながら、昨今ブームになっている推し活についても鋭く切り込んでいます。推し活は熱中すればするほど、推しの対象のことが好きになればなるほど危ういものに変貌していきます。特にガチ恋勢というか、推しに特別扱いしてほしいと思うファンの心理は危ういことがこの作品を読むとよくわかります。まだ真相はわかりませんが、色々な意味で目が離せない作品になっております。