御狐様!

@anzu-tao

第1話 おにいさんまいご?

「あれ、おねえさんまいご?」

拙い喋り方で喋りかけてきた童。

「私は迷子じゃない、それとお兄さんだよ」

お兄さんと言えるよわいではないのだが、この餓鬼からしてみればお兄さんに見えるのだろう。

「ほへぇ〜!おにいさんのおかみきれいね!」

「ああ、そうでしょう?」

「ほうせきみたい!きらきら!」

“宝石”ってのは一寸前に外つ国から入ってきたあの石だろうか。

妙に光っていて印象に残っている。

「でしょう?私はなんだ」

私は平安時代と呼ばれる時代から生きている。

刀を打つのを手伝ってやったのも私。今は小狐丸と呼ばれているらしいけれど。

「おにいさんとくべちゅ?」

「そう」

「とくべちゅ…!しゅごい!」

「ふふっ、ありがとう」

どうやら『つ』と『す』が言えないようだ。

実に愛い。此れほど愛しい子は今まで生きてきて数人。稚児は可愛いものだけれど、

此奴はより一層可愛く見える。屹度きっと単純だと言われるのだろうが、仕方が無いと思う。

「君は可愛いねぇ」

そう言いながら私はその童の頭を撫でた。

「えへへぇ、ありがとうおにいさん!」

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