海水で炭水化物と緑を創る植物
孤独なピエロ
第1話
海水で炭水化物と緑を創る植物
玉栄茂康
プロローグ
地球温暖化による海面上昇と異常気象で塩害と干ばつで農作物の被害が続くと世界は食糧不足で飢饉が起こる。世界の農業は耕地と水資源が限られ世界人口に対応した食糧増産は不可能である。遺伝子操作により耐塩性植物は作られたが地球上の水97 %を占める海水を活用できる植物は未だに完成してない。アラビア湾に生息する塩生植物のなかで高塩分海水から炭水化物を作る植物はグレイマングローブだけでその種子は良質の炭水化物である。アラビア湾の海水の塩分濃度(40-60‰)は太平洋(35‰)に比べて異常に高く植物の生息環境では劣悪だが現地のグレイマングローブは適応して生息しており世界の海岸と塩水湖に植林すれば炭水化物を大量に生産できる。
アフリカ沿岸と内陸の塩水湖沿岸にグレイマングローブを植林して森を創り種子と枝葉を収穫すれば大量の炭水化物と家畜飼料が確保でき食糧不足と飢饉を回避できるはずだ。
1.アラビア湾のグレイマングローブ
アラビア湾のグレイマングローブは盛夏7月に開花し9月には成熟した防水性の果皮に包まれた種子を海に落下させる。果皮に包まれた種子は海水中を浮力で浮遊しながら近隣の潮間帯に分散して果皮を脱いで海底に沈むと幼根を地面に侵入させて子葉を持ち上げ発芽を始め数日で稚樹となり5年後には母樹に成長して種子を付ける。グレイマングローブが迅速に成長するには海洋生物の糞が海水に溶けた有機物が必要である。
2.グレイマングローブ植林の実践
グレイマングローブをアフリカ沿岸の潮間帯に植林すれば5年で母樹に成長して種子ができる。海洋生物の豊富な沿岸でグレイマングローブは100年で樹高20mに成長するが繁茂してジャングルになると森林内の通気が悪くなり悪性のカビが発生するので密集した枝葉は間引きして家畜の飼料にする。成熟した種子は母樹から落下して近隣の潮間帯に拡散して新たな森林を作る。拡散が繰り返され続けた広大なアフリカ沿岸は50年後にはグレイマングローブの森林が形成され食用の種子と家畜飼料の枝葉を収穫できるので食糧不足と飢餓は回避されるはずだ。
3.グレイマングローブの種子
種子は炭水化物で食用にできるが加工と保存方法はまだ開発されてないが粉末で保存すればよいだろう。種子の果皮は防水性で浮力があり数日の乾燥に耐えることができる。種子は呼吸しておりポリバケツとビニール袋など気密性の容器に保存すると酸欠で死滅し青カビの発生で腐敗する。冷蔵庫保存は凍傷と乾燥で種子が死滅するのでクーラの効いた部屋に積み重ならないよう広げてやるとよい。育苗と播種に使用する種子は果皮を手で剥かず網袋に入れて海水に1日付けるだけで果皮がとれ裸の子葉になるので付着したヌメリを海水で洗い流して日陰で乾燥させて育苗と播種植林に備えるが保存できないので7日以内に育苗に使用するか潮間帯に播種しなければならない。種子を海水に漬けておくと子葉が開き播種できなくなる。種子は根毛のある幼根部を下にして地面に軽く差し込むだけで良いが決して逆に植えないこと
4.グレイマングローブの植林
植林は種子の直播と育苗施設で育てた稚樹を潮間帯に移植する方法があるが直播が簡単で砂地に幼根を下にして3㎝程差し込むだけで経費が節約できるが強風がなく流れの穏やかな沿岸に限られる。育苗ポットは市販の安い農業用プラスチッックポットに海水の浸透する小穴を数か所開けて沿岸の砂を詰めるが砂に含まれるシルトは洗い流しておく。育苗施設は荒天で流失しないよう小高い岸に建設し沿岸海水をポンプで汲み上げた流水で干満を5時間間隔で繰り返す。風雨除けのシェイドネツトなしで日光と風雨に当て徒長させず茎の太い幼苗を作れば海風で倒れない稚樹に育つ。果皮を除いた健康な種子は海水中で沈み浮くものは虫食いである。裸の種子を海水に2日漬けると子葉が開き破損しやすく播種できなくなる。種子は根毛のある幼根部を下に砂面に軽く差し込むだけで良いが決して逆に植えないこと。稚樹の移植は茎に付着している子葉が萎み落ちた時期に気根を折らないように育苗ポットから砂と一緒に取り出してポットと同じ深さに植える。植林場所は沿岸では潮間帯、海水の湿地帯では水溜まりを避けて湿った傾斜地と高台、塩湖沿岸では湿った傾斜地が良い。干潟の柔らかい軟泥地では表面に軽く差し込み種子が大量にあれば果皮付き種子を満潮時に散布すれば種子は果皮を脱いで幼根を下にして沈みどろ表面で発芽する。
①植林は果皮をむいた種子の播種と稚樹の移植であるが作業は干潮時に限られるので植林する数量をあらかじめ決めて時間内で種子と稚樹を植えて残さないようにすする。植林間隔は150㎝で密集した群落になる。海風の強い沿岸は砂嵐で枝葉が傷害を受けて傷跡にカビが発生する場合がある。
潮間帯に植林して生長した稚樹にフジツボが付着して倒れるのは自然で放置しておく。フジツボは母樹にも大量に付着するが支障はない。種子の果皮を手で剥くと種子表面に爪痕が残り腐敗するので果皮は1日海に漬ければ簡単に剥ける。裸の種子は打撲に弱いので取り扱いは丁寧にする。
3グレイマングローブの枯れ死
グレイマングローブに病気は発生しないが気根にストレスが長期間かかると数か月で枯れ死する。ストレスは気根の状態で判定する。沿岸での浚渫工事で発生したシルトと土砂が森林に流れ込み気根を覆うと樹が呼吸できなくなり3か月で枯れ死する。森林がゴミ捨て場になると枯れ死する。葉が黄色くなり落葉が多いのは枯れ死の前兆でストレスの原因を取り除かねば枯れ死はけられない枯れ死の主な原因は動物による食害と沿岸の浚渫工事で流出する土砂とシルトに林内に打ち寄せられた浮遊物ゴミである。ストレスの原因はグレイマングローブが呼吸に必要な気根の状態を観察すれば分かる。
4ストレスの原因
①気根が土砂、シルト、ゴミに覆われている。
②気根が異常に伸長する水没が続いている。砂で覆われた場合は気根を伸長させて対応している。
③ラクダとヤギなどの動物に枝葉、樹皮、気根が喰いつくされると樹は死滅する。
5
②植林は波浪の穏やかな干潮線と満潮線の間で砂地が最適であるある。
③粘土土壌、シルト土壌、岩盤の上の浅い砂地は不適である。アルガルマットに被覆された土壌はマットをはがして植栽しても成長が極めて遅く避けたい。シルト土壌は種子が呼吸ができないので不適である。
④植林後は稚樹に絡みついた海藻とプラスチックゴミの除去作業を定期的に行うことで生残率を高めることができる
⑤稚樹と若木に付着したフジツボは除去できないので放置しておく。
⑥成長した若木は気根を半径12mの放射状に複雑展開するので移植は不可能である。。
⑦岩盤の上の浅い砂地は植林に不適であるが植林して生長しても樹の根が地下に潜れず安定できないので強風で倒れやすい
⑧荒天ないしは沿岸工事で植林地に砂の堰ができ海水の水たまりになると気根の数を増加もしくは伸長させて呼吸を維持するが海水が砂面を通して出入りして干満があれば生息に問題はないが砂面がゴミで覆われ満水して気根が水没すると全滅する。
⑨サンドフライを駆除するには岸に打ち寄せられたゴミと海藻を清掃して生息場所をなくす。
殺虫剤は海洋汚染になるから使用しない。
⑩稚樹の成長が悪いのは沿岸に生息する海洋生物が少なく成長に必要な有機物である老廃物が排泄されてないことである。肥料分を補うのに科学肥料の散布は海洋汚染を引き起こすリスクと森を殺すので実行してはならない代わりに魚の養殖で有機肥料を増やすことで対応できる。
⑪グレイマングローブは淡水と海水の両方で生息できる。魚類を飼育している海水と淡水池の岸辺に植林すれば水中に溶けた餌の残渣と排泄物を吸収して水を浄化してくれる。
5.グレイマングローブの枝葉は良質の家畜飼料であるが過剰な伐採は森を殺すので適切な管理が必要でである。
グレイマングローブは適切に枝刈りすれば家畜の良質な飼料になる。後背地に繁茂する塩生植物も家畜の飼料にできるがグレイマングローブの森林へ家畜を自由放牧すると喰いつくされて森は死滅する。種苗用と食用の種子は9月下旬までに収穫する。10月以降の種子はヨコバイLeafhopper の幼虫に食害されて死滅している。グレイマングマングロブの森にはサンドフライが生息して侵入者に大群で襲撃して耳鼻や瞼に噛みつく吸血コバエで厄介な昆虫であるが生態は不明である。サンドフライはグレイマングローブん葉に卵を産み孵化した微細な幼生は葉脈に潜り込み数ミリの凸状瘤を形成しその中で変態して成虫に羽化するが樹を殺すような障害にはならない。サンドフライの成虫は海岸に打ち寄せられたゴミと海藻の腐敗物の下に生息しており人間が近づくと大群で襲い耳と瞼に噛みつく厄介な吸血コバエで 嚙まれた後の痒みに効く医薬品はなく虫刺され用痒み止めで対処するするしかない。因みにサンドフライはアラビア半島、ボルネオ島、オーストラリア、ニュージーランド 西サモアのマングローブ湿地帯に出現し何等かの病原体のキャリアの可能性はあるが深刻な被害のニュースは聞いたことがない
グレイマングローブの枯れ死
グレイマングローブに病気は発生しないが気根にストレスが長期間かかると数か月で枯れ死する。ストレスは気根の状態で判定できる。沿岸での浚渫工事で発生したシルトと土砂が森林に流れ込み気根を覆うと樹が呼吸できなくなり3か月で枯れ死する。葉が黄色くなり落葉が多いのは枯れ死の前兆でストレスの原因を取り除かねば枯れ死は避けられない。枯れ死の主な原因は動物による食害と沿岸の浚渫工事で流出する土砂とシルトである。ストレスの原因はグレイマングローブが呼吸に必要な気根の状態を観察すれば分かる。
ストレスの原因
①気根が土砂、シルト、ゴミに覆われている。
②気根が異常に伸長する水没が続いている。砂で覆われた場合は気根を伸長させて対応している。
③ラクダとヤギなど動物に枝葉、樹皮、気根が喰いつくされると樹は死滅する。
グレイマングローブの植林
①植林は果皮をむいた種子の播種と幼苗の移植であるが作業は干潮時に限られるので植林する数量をあらかじめ決めて時間内で種子と幼苗を植えて残さないようにすする。
②植林は干潮線と満潮線の間が最適である。
③波浪の穏やかな砂地が適地で粘土質土壌、シルト土壌、岩盤上の浅い砂地は不適である。
④植林後の稚樹に絡みついた海藻とプラスチックゴミを除去する作業を定期的に行うことが生残率を高める
⑤稚樹に付着したフジツボは除去できないので放置しておく。
⑥成長した若木は気根を放射状に展開するので移植はできない。
⑦岩盤の上の浅い砂地は植林に不適であるが植林して生長しても樹の根が地下に潜れず安定できないので強風で倒壊しやすい
⑧植林後に荒天で砂の堰ができて海水の水たまりになると気根の数が異常に増加して伸長するが干満で海水が砂地を通して出入りすれば生息に問題はない。
⑨サンドフライを駆除するには岸に打ち寄せられたゴミと海藻を清掃して生息場所をなくす。
殺虫剤は海洋汚染になるから使用しない。
⑩稚樹の成長が悪いのは生息する海洋生物が少なく成長に必要な有機物である老廃物が排泄されてないからである。肥料分を補うのに科学肥料の散布は海洋汚染を引き起こすリスクと森を殺すので実行してはならない代わりに魚の養殖で有機肥料を増やすことで対応できる。
⑪グレイマングローブは淡水と海水の両方で生息できる。魚類を飼育している海水池や淡水池の岸辺に植林すれば水中に溶けた餌の残渣と排泄物を吸収して水を浄化してくれる。
海水で炭水化物と緑を創る植物 孤独なピエロ @stamaei
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