人狼ゲームが好きなんだ!

立方体恐怖症

第1話 人狼の良いところについて書きたい

 問題!このエッセイは二日かけて書いています。どのあたりで日にちが変わったか分かりますか⁈



 人狼ゲームをしたことはあるだろうか。

 一時期とても流行って、アモングアスを始めたのが私の人狼生活の始まりだった。

 とは言っても、人狼ゲームが上手なわけでも、特別やりこんでいるわけでもない。

 そんなライトな人狼ゲーム層である私から、人狼ゲームの面白いところを三つだけ、ピックアップしてご紹介したい。


 一つ目。人を騙すところ。人狼ゲームの特徴といえる人狼の存在だ。村人陣営は人狼を探し出し、人狼陣営は嘘をついて村人陣営を出し抜く。

 人狼陣営は、嘘なくして成り立たない。自分の陣営の首を絞めることになるので嘘をつかないと負けてしまう。

嘘をつくのに罪悪感がある、という人もいるが、私の考えでは、この嘘は正義である。

人狼なくしてゲームは成り立たない。だから私は人狼陣営になった時はボランティアのつもりで、市民陣営の楽しいゲームを成り立たせるため、頑張って嘘をつくことにしている。


 もっとも嘘は得意ではない。このように、ゲームのためと自分の考えを肯定させないと、私の嘘は『自分らしさ』からかなり外れた行動になってしまい、違和感を持たれる。

 だけど、私の嘘で市民陣営が騙された時、笑顔になってしまう。


 なぜ笑顔になるかと言うと、普段私たちは抑圧されて生活しているからだ。

 普段使う嘘は社交辞令などに使用され、騙すための嘘は禁止されている。

 もちろん嘘が禁止されるのは円滑な情報共有のためなので仕方ない。嘘は社会を不自由にする、しかしそれが分かっていても正直に生きることを強いられているため、確かにストレスはある。


 しかし、人狼陣営となった時、その嘘の価値観が逆転する。騙すことが人狼にとっての正義であり、ひいてはゲーム全体の円滑に進めることになる。


 普段禁止されていた行動を許され肯定される。そのうえで人狼として勝った時の興奮と報酬はすさまじい。

嘘が苦手な私でも、騙すことに大きな快感を得られるので、嘘が苦手な人もぜひ人狼ゲームをしてほしいと思う。


 二つ目。嘘を見抜けるところ。人狼ゲームにおける市民陣営の目的は、人狼陣営の排斥である。もちろん、論理的に人狼が見抜けたらそれが一番いいのだが、実際、破綻した嘘はそう簡単には出てこない。だから、人狼を消せるかどうかの最後は勘、ということもある。


 直感などない、と思う人もいるかもしれない。

しかし、私の考えで言うと、ある。

 嘘をついた時かすかに声が震えたり、動揺が癖に現れたりする。オンラインで、チャットで嘘をついた場合、タイピングが異様に遅れたり、言葉遣いが変わったりする。

その嘘のしぐさの積み重ねを、脳が見逃していない。


 つまり、直感的には理由がある。その理由を、頭をしぼって思い出すのが、脳のからまった思考をほぐすことになる。それが、直感を使ったということである。


 直感によって物事を決めうるのは危険だ。しかし、脳が情報収集した違和感をときほぐし、理由として提示するのは、論理に基づいている、と私は考える。

 そして、脳が集めた、本当なら見つけられず違和感のままにとどまっているはずの違和感のの正体を見つけた時、脳がとても喜び、興奮する。それによって嘘をあばいた時の達成感、快感が得られるのだ。


 日常で嘘は禁止されている、と書いたように、日常で嘘をあばく機会は限られている。だから、人狼ゲームで嘘を見抜く瞬間は限られた価値あるものなのだ。直感だけで行動してはいけないが、直感は脳の、言葉にならない思考の断片であるので、脳に語りかけるつもりで大切に使ってほしい。


 三つ目。人の考え方に深く触れられること。

 これが一番人狼ゲームが好きな理由であり、読書が好きな理由でもある。


 これまで、騙すこと、嘘を見抜くこと、の面白さを書いてきたが、それは私の個人的考えである。

人狼ゲームを同じように好きになっている人で、私と違って、嘘の存在自体徹底的に嫌いで、直感など論理的にありえないと考える人もいる。

 また、同じ人狼ゲームにおける主張を見た時、全く違う意見を出す人がいる。

 そういう人に会えた時、私はゲームをしてきたことに感謝できる。


 嘘というのは、その人が本来するはずだったことが上書きするものだ。だから、『その人らしさ』がどうしても減ってしまう。

 人生で得てきた考えが違うから、同じものを見ても意見が違うのは当然だ。人狼を見つけ出すために、なぜそういった意見を出したのか聞いて、それが『そのひとらしさ』を欠いていないか、吟味することは楽しい。

なぜなら、意見が違う理由がなぜなのか考えて、それが本当だったとき、新しい世界を見つけたような幸せな気分になれるからだ。また、予想に反していても、また自分の頭では考え付かないような思考を見つけることになり、幸福になれる。


人狼ゲームの考察の過程で『その人らしさ』を知れるのは、読書をして作者の気持ちを体験したり、感情を追体験することに似ているのだ。


この私の考えは人狼ゲームにおいて一般的に嫌われやすい直感的な考えなので、あくまで参考程度にしてほしいが、このように、人狼ゲームで考察することは読書と似ていて楽しい。自分では得られなかった世界を体験できる。


 だから、私は人狼ゲームが好きなのだ。


 いろんな考えを聞くのが好きなので、人狼ゲームについての想いがありましたらお聞かせください。

 このように直感的に、もしくは証拠から答えを見つけるお話をいくらか書いていますので良かったら読んでください。



問題の正解 一つ目。人を騙すところ。人狼ゲームの特徴といえる人狼の存在だ。村人陣営は人狼を探し出し、人狼陣営は嘘をついて村人陣営を出し抜く。


 このあとの文では市民陣営と書いています。日にちをまたいだ時にやった人狼が村人ではなく市民陣営表記だったからです。

 こんなの問題でもなんでもないかもしれません。

 でも、こんな風にわずかな違和感が答えになっていると爽快ですよね。

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人狼ゲームが好きなんだ! 立方体恐怖症 @LunaticHare

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