非モテの俺が女慣れのために親友の妹と遊ぶことになったら超絶ヤンデレ地雷美少女が来た件について。
星野星野@5作品書籍化商業化
第1話 親友の妹の様子がちょっとおかしいんだが。
俺、
高身長かつ明るい性格のイケメンで、常にクラスの人気者である
二人ともそれぞれクラスの男子女子から人気を集めるまさにハイスペック陽キャ。
そんな二人と親友という間柄で、今も仲が良いということは当然、俺もまた『ハイスペック』かと思われがちだが……それは間違いだ。
残念なことに俺、
学力も運動能力も普通。
背丈やスタイルも普通。
顔に至っても、まあ良くもなければ悪くもない(と思いたい)。
さらに高校2年の春になった今も、誰かと恋愛関係になったことが一度もない。
というか親友である麻希以外の女子とはほぼ話せないので、典型的な内弁慶の非モテ男子である。
もう高校2年になったんだから、そろそろ俺にも恋愛における『春』が来て欲しいものだが……まあ、ないよな。
「おーい陵矢! 今日もそっちで昼メシ食ってもいいか?」
「一緒に食べよ? 陵矢」
俺が自分の席でモヤモヤしていると、真一と麻希のハイスペックコンビが、弁当箱を持って俺の席へやってくる。
「また俺の席でメシか? 前みたいに机にこぼされるのは嫌なんだが」
「釣れないこと言うなよ陵矢っ。ほら、麻希が陵矢の席で食べたいってうるさいからさ!」
「い、言ってないわよそんなこと!」
真一が冗談半分で言うと、麻希がそのセミロングの茶髪を揺らしながら否定し、怒った。
真一と麻希のハイスペックコンビは、こうやってすぐに戯れ合うのだ。
痴話喧嘩はよそでやって欲しい。
でもこの二人は、自分たちが人気者なのに俺みたいな凡人と、幼馴染のよしみで仲良くしてくれている。
もし二人が俺と仲良くしてくれてなかったら、今ごろ俺は孤独な陰キャだったかもな。
俺はこの二人が親友でいてくれるおかげで、なんとかクラスカーストの中位くらいにいるのだ。
「あれ? ヤバっ、お箸……ない」
「どうした麻希? 箸忘れたのか? それなら俺がストックで置いてる割り箸でよければ使ってくれ。ちゃんと箸袋に入ってる新品だから」
「うん。ありがとう陵矢、めっちゃ助かる!」
麻希に新品の割り箸を手渡すと、麻希は安堵の笑みを見せた。
「やっぱ陵矢はいつも気が利くよな! さすがオレの親友!」
「はいはい。それじゃあお礼に『可愛い女子』の一人でも紹介してくれよ」
「「え、女子!?」」
二人が声を重ねて大袈裟に驚く。
や、やっべ!
二人がここに来るまで席で考えてたことが、つい口に出ちまった。
「いつもヤレヤレ系主人公みたいに恋愛に興味なしで何でも冷笑してたあの陵矢が! ついに女子に興味を持つなんて!」
「ほんとそう! え、陵矢は彼女が欲しいの?」
驚いて椅子から立ち上がる真一と眉を顰める麻希。
どうやら二人とも困惑してるみたいだ。
でもこの際だから、素直に話してみるか?
「しょ、正直に言うと、俺だってもう高校2年だし、そろそろ彼女とか欲しい……けど、俺、そもそも麻希以外の女子とはこんなフランクに話せないし、話す機会がなくて」
「そ、そうだよ。陵矢があたし以外の女子と仲良くしてるところ見たことないよ?」
麻希が言うように、俺は他の女子と仲良くなったことがない。
まあいつもこのハイスペな二人と一緒だからかもしれないが。
「そうか。要するに陵矢は女子と話す機会を増やして手っ取り早く『女慣れ』したいってことだな?」
「なんか言い方が最低すぎるが……まあ、その通りだ。少しは女子に慣れたいかなって」
「よし、それなら親友のオレが一肌脱ぐしかないか」
「え? 紹介してくれるのか?」
「ああ! とびっきり"可愛い女子"をお前に紹介してやるよ!」
と、とびっきり可愛い女子……って。
真一は交友関係が広く、女子の友達も多いのでかなり期待は持てる。
「ちょっと本当に真一に任せて大丈夫? 良かったらあたしの仲良い別クラスの女子とか紹介しようか? それならあたしもフォローできるし」
「いいやそれじゃダメだろ。いつまでも麻希におんぶに抱っこじゃ陵矢のためにならない」
「あたしにおんぶに抱っこって……」
「とにかく! オレは陵矢にとってベストな人材を知っている。だから任せろ陵矢」
「お、おお」
これでも真一は幼稚園の頃からずっと仲の良い親友だ。
ここは真一を信じてみようかな?
しかし……俺にベストな人材って? 一体誰なんだろう。
☆☆
真一に例の相談をしたのが昼休みだったが、まさかその日の放課後に、一人で校門の前へ行くように言われるなんて……。
あまりにも話が進むのが早いような?
よっぽど真一と仲の良い女の子なのだろうか。
俺は一人で校門の前へと移動する。
けど、相談したのは俺の方だし、やると言ったからにはやるしかないよな。
昇降口を出てすぐ前にある校門を通ろうとした——その瞬間、だった。
「あれ? 陵矢……さん?」
俺の目に飛び込んで来たのは、俺より少し背の低い女子高生の姿だった。
近くのお嬢様学校の制服を着ており、制服の上に淡いピンクのニットを着てグレーのプリーツスカートと厚底のローファー。
セーラー襟がほどよく清楚さを残しつつも、その長い黒髪のローツインテと胸元のピンク色のリボンがあざとさと甘さを添える。
「もしかしてキミが……?」
そう——そこに現れたのは、ちょっぴり量産型地雷系っぽい制服を着た、とんでもなく可愛い女子だった。
確かに真一が言っていたように顔も可愛いし、スタイル抜群で、腰回りはキュッと細いのになぜか胸はかなり大きい(下手したら麻希の2倍くらいデカいような)。
けど……ちょっと待て。
真っ先に胸を見てしまう男心をグッと抑えて彼女の顔の方をじっと見つめる。
こんなにまつ毛が長くて瞳も大きくて可愛い女子は滅多にいない。
でも、この子……なぜか既視感があるような。
「あの、多田陵矢さんですよね?」
「え、う、うん」
「よかったぁ! 兄から会って欲しい人がいるって言われて来たんですけど……まさかそれが陵矢さんだったなんて!」
「あ、兄!?」
「はいっ! わたし、真一の妹で
やけに話が進むのが早いと思ったら、
何が俺にピッタリだよ! 自分の妹を呼び出しただけじゃないか!!
「ふふっ、また会えて嬉しいです♡ 陵矢さん。わたしたちが会うのってあの日以来ですね♡」
え……? あの日?
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新作ラブコメがスタートしました!
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あれ、親友が二人……?
まさか……。
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