第3話『宿屋の優しさスキル』



登場人物

• ユウ:転生者。慎重・ツッコミ役

• ミラ:宿屋受付。優しすぎて暴走

• カイ:宿屋隣人・案内人。優しさ連打


舞台

• 宿屋カウンター、丸太椅子、宿帳、小瓶、杖、魔法アイテム



本編


:到着


ユウ「宿泊…できますか?」

ミラ「もちろんです!雨なので靴を乾かしましょう」

カイ「靴紐も直します!」

ユウ「いや、そこまで…」

ミラ「念のため、靴にも魔法をかけて乾かします」

ユウ「魔法まで…!」



カイ「靴のついでに、靴下も最適温度に調整!」

ユウ「もう入れません!」

ミラ「大丈夫、心は広がります」



:宿泊料金


ミラ「本来500ゴールドですが、雨なので450ゴールドで」

カイ「さらに僕の手作りクッキー付き!」

ユウ「宿泊料だけで…」

ミラ「あ、湿気てますね…交換します」

ユウ「無限ループですか」


カイ「いやいや、ついでに香水もつけます」

ユウ「誰のために!」




:部屋案内


カイ「お部屋の丸太椅子は腰に優しいです」

ユウ「丸太…?」

ミラ「座面の角度も調整しました」

ユウ「全部過保護です!」

カイ「窓ビューも選べます」

ユウ「普通でいいです!」

ミラ「星空、川、畑…どれも良いです」

ユウ「選択肢多すぎるなぁ!」



:夕食


ミラ「夕食は…辛さ控えめ?」

ユウ「普通で…」

カイ「味見します!」

ユウ「いやもう!」

ミラ「アレルギーありませんよね?」

ユウ「大丈夫です」

カイ「念のためもう一回!」

ユウ「念のため?!」






ミラ「寝る前に戸締まり確認します」

カイ「窓も鍵も」

ユウ「僕がやります…」

ミラ「二人でやった方が安心」

ユウ「いやいや!」






ユウ「今日一日…結局何もしてない…?」

ミラ「でも心は満たされました」

カイ「それは私たちの…優しさスキルのおかげです」

ユウ「優しさスキル?」

ミラ「はい、人の心が読めるスキルです」

カイ「困ってる姿も疲れてる姿も察知済み!」

ユウ「……だからこんな過剰に…」

ミラ「でもこれで心も体も安全です」

ユウ「…断りづらいです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る