うちのセキセイインコが少女漫画のセリフを覚えてしまい、好きな人に告白してしまった件

@kafu714

第1話

時刻は午前をなるよりも1時間前

静かな空気、静かな時間が私の部屋には流れ、紙をめくる音が囁くように響く、パタンと閉じ、本棚の上に放り投げ、そのままベッドへとダイブする。

理想の学園生活、偶然続きの展開、個人のすれ違い……そのすべての余韻を噛み締め、枕に顔を埋め、思いっきりバタ足をする、これには水泳の選手もびっくりだろう。

「はぁ〜やば、こんな恋愛してみたいなー「「……さんのことが好きです……!ずっと一緒に居たいです……!!!!」」かぁ~…あぁ~あたしもこんな恋愛してみたいな〜…」

ムクッと立ち上がり、感想を思いっきり叫ぶとそのまま仰向けに倒れる。

大きな勉強机に置いてある、鳥かごには夜なのに元気に羽を広げているインコのセイちゃんが、「なんだこいつ…」言わんばかりに見つめてくる。

「ハヤクカダイヤリナサイ!」

どこで覚えたのか、見当がついてしまうのが悔しい

「はぁ~明日も学校か〜でも晴人くんに会えるからいっか!セイちゃんおやすみ」

鳥かご越しにセイちゃんを撫で、大きく叫び、部屋の明かりを消し布団へと潜り込み眠りへと落ちていった。

「ことが好……と一緒に居たい……」

飼い主が寝たあと、暗闇の中で少女漫画のセリフが一つ寂しく響くだけだった。

______________________________________

日にちは金曜日の放課後、セーラー服にポニーテイル姿の女の子「晴子」。

さぁ帰るかとなっている時、一人の長身な男子が話しかけて来る。

「晴子さん今日……一緒に帰りませんか?」

数十秒ほど沈黙が続いたが空気を分けるように声が響く。

「うん!いいよ!!」

明るく返すと、男の子は嬉しそうに微笑んでいた。

______________________________________

(はいえーっとですね……なんでこんな事になっちゃたのかなー?)

モクモクと回想を流してほしいが今はそんなものを確認している暇はない。

「えぇ?!この作品好きなんですか!?実は俺もそれ気になってたんですよ!」

晴れの日の太陽のように笑う彼の名前は「晴人くん」

昨日の夜、名前が出てきたでしょう、そうゆうことよ!!!

「うん、最近漫画集めて……も、もし良かったら漫画貸そうか?」

首を傾け、晴人に問いかける。

「いいんですか!?では、お言葉に甘えて!」

晴人くんの笑顔が眩し〜と考えながら、自分の行動を思い出す。

(えっ!?私何言っちゃてんの?好きな男子に?昨日悶えてた漫画貸すの?えっ)

「それじゃあ、いつ頃貸してもらえますか?」

と言われ、返事を予想していなかったので固まってしまう。

「わ、私の家すぐそこだから、いま貸してもいい?」

頬まで赤く染まる、少しずつ体が火照ってくるのがわかる。

少し考えはじめ、私を見直すと「はい!是非!」

______________________________________

「ただいまー」

平常心を保ったまま家へと帰宅する。

「じゃあ僕はここで待っておくので……」

よそよそと玄関に佇んだまま、晴子に話しかける「あの、巻数が多くて、一人じゃ時間かかるから部屋に来てくれない?」

ガタガタと階段を登っていく、部屋の扉を開け、

「どうぞ」

とてのひらで部屋に入るように促す。

自分も晴人くんに続き部屋に入っていった、念の為ドアは開けておこう。

先に入り、ゆっくり回転しながら部屋をさっと見る、特には散らかってないから大丈夫…だと信じたい。

漫画本を手頃なサイズの紙袋に詰め込んでいると、晴人がセイちゃんに気がつく。

「インコ飼ってるんですか?可愛いですね。」

朗らかに笑いながら、セイちゃんを撫で回している

そのときセイちゃんが覚えていた言葉をまた叫び始めた、

「ハヤクカダイヤリナサイ!」

ビクッと少し後ろに下がったのを見られたのか笑っている、

「不躾がましいかもしれませんが一緒に課題やりませんか?セイちゃん?、もこういってますし。」

漫画を貸すだけのはずが何故か一緒に課題をやる流れになってしまった、セイちゃんグッジョブ。

______________________________________

いつもより倍の速さで課題が終わり、それじゃあと言うときにセイちゃんがまた叫び始めた。

「デモハルトクンニアエルカライッカ!」

「っっっっっッツ!?」

晴人くんも言葉に出来ないようだそれはそうださっき撫で回してたペッドがいきなり飼い主の独り言を暴露したのだから

昨日の何気ない発言がまさか自分の首を絞めるとは……と思いながら顔が耳まで赤くなる。

「ちょっとセイちゃん!??何言って……」

晴人くんの顔が見れない、どうしようかと思っているとまた、セイちゃんが口を開く。

「好きです……!ずっと一緒に居たいです!」

もう全身から汗が流れ出る、これが冷や汗なのか熱による発汗なのかもうわからない

でももうここまで来たら結果は同じ思いっきり告っちゃえ!

「じ、実は、晴人くんのことが前から好きでし……た!付き合ってください!!!」

強くつぶった目を開け、晴人くんを見てみると、顔を真赤にして腕で顔を隠している。

考えがまとまったのか、口を開きはじめた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うちのセキセイインコが少女漫画のセリフを覚えてしまい、好きな人に告白してしまった件 @kafu714

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画