第4話「白の世界へ」

漸く目を開ける

そこは真っ白な、ただただ広い空間だった


内見していた物件でレリーフがあった部屋ではない


というか、360度どこまでも広がってる、白い空間

そうとしか見えない


天井も壁もない、ただただ広い空間

立っているから地面だろうと思っているだけで、それこそ天地すら明確になってない


明るいのだけれど、光源がどこにあるのか

足元に影は出来ていない、まるで手術室の無影灯を見てるような非現実的な異質感


私一人?

一緒に居た後輩は大丈夫か??


廻りを見回す


誰かがシャツの背中を引っ張る

後輩は、私の後ろに居た


とっさに背中に隠れたらしく、引っ張る力で実体があることも確認できて、ひと安心

疑問を口に出してみる


「ここ、どこだろ?」


「さっきまで部屋にいたけど、違うみたいですね

めっちゃ広いし、全部白くて怖いです」


後輩にも同じものが見えてるようだ

気を失った私の妄想とか、夢ではないみたい


「誰か、居ませんかぁーーーーーー」


叫んでみる


少し、間を置いて


『あら、どちらさま?』


のんびりした声が返ってきた


妙齢の女性と思わしき、優しい声


「すみません

さっきまで、家の内見してたんですが

気が付いたらここに居まして・・・・・


ここ、どこですかね?」


端的にそのまま伝えてみる


すると4,5m先に突然、扉が現れた


え?


さっきまで空間でしかなかったよね??


というか、ドアだけって・・・・・

青い猫型ロボットの、専売特許じゃないの?


そうツッコもうとした瞬間、開いた扉

中からはおねえさんが出てくる


私より少し年上だろうか?


ショートヘアーで丸顔、柔和な表情


恰好は・・・

生成り色のワンピース


というかギリシャ神話?


「初めまして、お邪魔しています」


後輩も続いて会釈し、あらましを改めて簡潔に伝えた


『あらあら、もしかしてこの家かしら?』


おねえさんは、どこからかタブレットを取り出し

操作して画面を見せてきた


見に行った家がそこにはあった


・・・・・結構でかいのに、どこに仕舞ってあったたんだろう?

ついでに、ネット環境あるの?ここ?


ぐっとこらえて、話を続ける


「多分ここですね

家に入ったら、でっかいレリーフが壁にあって

動かせそうなところを押したら、部屋が急に明るくなって

気が付いたらここに居たんです


身体もあるみたいだし、死んだ訳ではなさそうですけれど

何がどうなったか、解かりますか?」


『あら、押すとき彼女も手伝ったのかしら?』


「二人で一緒に押しましたね」


後輩が素直に答える


おねえさんは腕を組んで、納得したように


『なるほどね

「貴方達が二人で」押したから、基準をクリアした選定者として

認証されてきたのね』


「「???選定者???」」


怪訝な顔をした私ら二人を見て、おねえさんは一言


『では説明しますね、どうぞこちらへ』


――その言葉を聞き、訝しがりながらも二人でついていくことに

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