先輩のことが好きな後輩と後輩のことが嫌いな先輩
雪だるま
第1話
人に好かれるというのはどういうことなのか。
良い人を装って人気者になってもそれは自分が求めることではない。
自分は人を好きになっても理由が言語化できないタイプなので、なんとも言えないが良く言われるのは一緒にいて楽しい人だろうか。
でも、全員に合わせようとするほど自分の色は薄くなる。
それができないからといって嫌われたりしないよな。
などと朝から考えているのには理由がある。
人生で2回目の挑戦、2回目の失敗。
「先輩は年下が無理なのかな…」
俺は一ノ瀬青嶺。自分で言うのもアレだが顔は整っているしスポーツも勉強もできて性格も良い(多分)。ラブコメの主人公では珍しい(と思っている)いわゆる陽キャというやつだ。
そんな完璧に見える俺にも一つの悩みがある。それは好きな先輩に嫌われていることだ。
「落ち込んでんな」
話しかけてきたのは友人の久保直人だ。彼とは中学からの仲で、普通に仲が良い。
「こっちにも色々あるんだよ」
まさか2年以上片思いして一回フラれている先輩にまたフラれたなんて言えない。
「先輩がどうとか言ってたけどまたフラれたのか?」
こいつ変なとこだけ勘がいいんだよな。そんなことを考えながら味方を探していると一人こっちに向かってくる奴がいた。
「青嶺フクロウかしてー」
そう言って笑ってくるのは朝霧ましろだ。彼女も中学からの付き合いで、ビジュだけで言えばラノベのヒロインで表紙を飾れるほど可愛い。ちなみにフクロウとは漢文の参考書のことで、表紙がフクロウの写真だからフクロウと言われている。授業では必須だ。
「同じクラスなんだから貸すわけないだろ」
ヤレヤレ感を出しながら答える。
こっちの事情を知らず集まってくる者どもを退治してから一旦落ち着く。
俺は告白は直接言いたいタイプなので断られるのも直接だ。Li◯eで告るチキン共より精神的ダメージが大きいのは言うまでもない。
俺は先輩を諦めるつもりはないが、さぁどうしよう。
なんか3回も告るなんて一途を通り越して面倒臭い奴ではないか。
先輩のことが好きな後輩と後輩のことが嫌いな先輩 雪だるま @Nannanw
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