第2話 新人合同自主トレ

ー1月中旬ー

「はい、集合!」

「おう!」

ザザッ

「今日からいよいよ新人合同自主トレだ。皆緊張するだろうが協力して互いを強め合っていくように。」

「はい!」

「よし、それでは始めます!」


「緊張するなぁ。一緒にキャッチボールしようぜ!」

「あなたは!ドラフト2位指名の中浦さん!」

中浦誠(なかうら まこと)22歳。大学野球リーグでは最優秀防御率のタイトルを獲得したピッチャーだ。

「よろしくお願いしますっ!」

「もーっ、何で敬語なのー!仮にも同期なんだから仲良く行こうや!」

「お、おう。」

「ほな、いくでー!」

シュルルルル…ズドン!

「ちょ、いきなり本気で投げんでや!」

「すまん、力加減狂ってもうたわ!」

何だこの球の伸び具合は!?さすが最優秀防御率だ。格が違う。キャッチボールだけでお金払う価値があるくらいだ。

「もう一球本気で行くで!」

「ちょちょちょ待って!」

シュュルルル…

「うわぁああ!」

ガシャン!

「どこ投げてんだよー!」

「すまんすまん!」

「よー、元気だなぁ!」

「く、久保監督!」

「いきなり飛ばしすぎるとケガすんぞ!気をつけろ!」

「「はーい!」」

ところで、俺たちがキャッチボールしている時にもテレビカメラが来ていたが、俺には微塵も興味を持っていなかったようだ。絶対に将来活躍して評価を逆転させてみせる!

と思ったは良いものの、やはりプロの世界は化け物だらけだ。同期入団の中にも俺の2、3倍凄い奴らがゴロゴロいる。

「久保監督!」

「おう、どした?」

「ほんとにこんな世界でやっていけるんですかね?」

「今は育成だけれど、努力すれば支配下登録されるかもしれない。そのために死に物狂いで頑張れ!」

「はい!」

「よっしゃやるぞー!」

「おう!」

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ここで少し設定の説明

 中村達の入団したブルースターズは、これまで3年連続最下位と暗黒期に足を突っ込んでいる球団だ。そんな中、中村達の世代はとても良い選手が多くいて、20年に1度の豊作ドラフトとも呼ばれていた。そんな同期と共にどんどん上を目指していく物語です。

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