第2話 悪さ自慢する文化じゃない

ヒップホップは、悪さを自慢するために生まれた文化じゃない。

生きるために、合法の選択肢が残されていなかった場所から生まれた。



① 「違法=悪」ではなかった時代背景


まず、前提をひっくり返す。

• 学歴がない

• 住んでいる地区で弾かれる

• 面接にすら行けない

• 就職先が存在しない


この状態で言われる言葉はいつも同じ。


「ちゃんと働け」


でも――

ちゃんと働ける場所が、最初から無かった。



② 非合法は「選択」ではなく「残り物」だった


ここが一番大事。


非合法な稼ぎ方は、反抗ではない。

最後に残された生活手段だった。


• 白人中産階級には

→ 学校・就職・ローン・昇進ルートがあった

• 黒人が住む地域には

→ 仕事がなく、投資も来ず、警察だけが来た


合法ルートが塞がれた社会で、

非合法だけを責めるのはフェアじゃない。



③ ヒップホップは「犯罪の賛美」ではなく「現実の記録」


ここでよくある誤解を切る。

• ドラッグの話

• ギャングの話

• 暴力の話


それは

勧誘でも、肯定でもない。


「ここでは、こうやって生きるしかなかった」

その報告書みたいなものだった。


新聞も

政治家も

歴史書も

書かなかった現実。


だから、

ラップが代わりに書いた。



④ 表現できた人間は、まだ壊れなかった


ここで心の安定につなぐ。

• 非合法で稼ぐしかない現実

• 明日捕まるかもしれない不安

• いつ撃たれるかわからない日常


それを

外に吐き出せた人間と

飲み込むしかなかった人間がいた。


ヒップホップは、前者に

逃げ道をひとつだけ残した。



⑤ 「悪い文化」に見えたのは、見る側の都合だった


強い一文を置けます。


ヒップホップが「悪く」見えたのは、

その現実を生んだ側が、見たくなかったからだ。


• 貧困を作った制度

• 分離を続けた法律

• 投資を止めた政策


それらは語られず、

結果だけが「乱暴」「危険」と切り取られた。



⑥ 心の安定へのブリッジ(あなたのテーマ)


最後、今までの流れと完全に接続。


ヒップホップは、心を安定させるための音楽じゃない。

でも、感情を言葉にできた分だけ、

人を壊しにくくした文化だった。


• 抑え込めば、内側から壊れる

• 出せば、ギリギリ生き延びられる


この差は、

環境が奪った選択肢の数だった。




悪さをしたかったわけじゃない。

非合法を選びたかったわけでもない。


ただ、生きるための道が、

そこにしか残っていなかった。


ヒップホップは、その現実を

正当化も美化もせず、

ただ、黙らずに記録した。

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