第14話 極道の執念
おれは悩んだ
人数が多いほうが良いのはお
「どういう風の吹きまわしなんだお前」
助手席に座る
「ネクロスって男の特殊能力に興味があるんです。どうやってそんな力を身につけたのか。他に仲間はいるのか。そんな部分の話を聞いてみたくて」
「そうそう都合よく
芝浦は
「
殺意とか闘志のオーラみたいなものが目に見えそうなほどだった。
あまりにも強い激情を見せられて、つい聞いてみたくなる。
「そこまでひどい目にあわされたんですか?」
「……
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一年前のことだという。
ネクロスは数人のグループといっしょにこの街へやってきた。
どこかでかっぱらってきた市営バスに乗ってきたそうな。
背が低く、
いかにもな弱者男性といった
それがネクロスだった。
「ええーいやいや、受け入れてくれたみなさんに、ちょっとでも
などと言ってネクロスはヘラヘラ笑い、キツイ肉体労働をすすんでやってくれたという。
小さな身体を
他の連中も無口で
気のいい奴らが仲間になってくれたと、はじめの頃はそう思っていた。
だが! それは自分の
十日ほどすぎた深夜のことである。
突然街のいたるところで住民たちの悲鳴があがった。
これまでずっと一緒に生活をつづけてきた住民たちが、なぜか急にゾンビ化して家族や友人たちに襲いかかったのである。
地獄のような
「ギャハハハハ! バーカ! だーれがテメエらなんかのために喜んで働いたりするもんかよ! さんざんコキ使いやがって、テメエら全員オレ様の
ネクロスは配下のゾンビたちに油断している住民を襲わせ、ちょっとした傷をつけてまわる。
そうやって地味に感染者を増やしつづけたわけだ。
十日間の時間をかけて、新たなゾンビとなった住民たちが一斉に暴れ出した。
そこからはまさに戦争だった。
芝浦をはじめ無事だった者たちが
ゾンビになった者は女子供にも
しかし戦う相手はかつての家族や友人たち。
だれもが
あまりにも
結果、夜が明けるころに芝浦たちは勝利した。
勝ってネクロスとゾンビたちを街から追い払うことには成功する。
しかし戦いが終わった時、住民の数は半分にまで減らされていた。
ゾンビと化して街を去っていく住民の中には、芝浦の妻と息子もいたのである……。
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「あの野郎はこらえ性のねえクズだ。俺にはわかる」
静かな怒りを
「野郎、本当は街の奴ら全員をいっぺんにゾンビにするはずだったんだ。だが仕事が思ったよりキツかったんで一ヵ月ももたずに根をあげた。あいつはクズだ。だから俺たちは今でもこうして生きている」
その言葉に意味があるのか無いのか。
きっとあふれ出す激情をおさえるために吐き出しているだけだろう。
「野郎は逃げ出したくせに
「なるほど」
話を聞くかぎり確かにしょうもないゲス野郎みたいだ。
しかしそのゲス野郎はゾンビを操る力を持っている。
ゾンビ軍団の最深部でふんぞり返っているであろう『そいつ』をブッ殺すというのは、なかなか大変そうだぞ。
「着きましたよ」
「おう、悪かったな」
おれの運転する車は、ほんの十数分で山のふもとにたどり着いた。
たいしたことのない小山だ。登山で疲れはてるということはないだろう。
頂上付近に街を見下ろせる
きっとそこがボス敵の居場所。
「こんな所まで送ってもらってなんだが、お前たちまで命をかける必要はねえんだぜ」
夜風に当たって頭が冷えたのか、芝浦はいまさらそんなことを言う。
「そういう
後ろにひかえていた紫織に視線を送ると、彼女も小さな拳をにぎってウン、とうなずいた。
おれたち若者のやる気を
「フッ、ガキのくせに
さて作戦だが、ゾンビ相手に
視界が悪すぎて逆にこっちが苦戦することになるだろうと考えて
ご自慢のゾンビ軍団だって命令するやつがいなければ『軍団』として機能しないだろう。
理想をいえばネクロスが寝ている間に潜入して捕まえてしまいたい。
うまくいってくれたら良いんだけどな。
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