第10話 爆弾岩は様子をうかがっている
「おめえさん達がウイルスに感染してねえかどうか確認しなきゃいけねえからよ、最低でも一週間はここで暮らしてもらうぜ」
芝浦軍治はムスッとした
「おいずいぶん一方的じゃないか、そんな話なら街に入らなかったぜ。車の中にしこたま積んである荷物だって、あんたらがちゃんと返すって保証がどこにあるんだ」
「そいつに関しちゃ信じてもらうしかねえな」
芝浦はいい加減なことを言いやがった。
まさか
車そのものもきっと超高級品だし、中には武器弾薬、食料、薬やガソリンなどなど大事なものが山盛りはいっていたんだ。
わるい奴に
「ところであんだけの物資、おめえどっから
芝浦は
ヤクザのくせに警察みたいなマネをしやがる。
「盗んでねーよ、おれの家から持ってきたんだ」
「家だあ?このヤロウ。おめえ
「知らねえ、
記憶喪失というのがウソくさく聞こえたのだろう。
芝浦はおれの
「あんまナメたこと言ってっと一生このまま
怖ええ、超怖ええ。
たいしたことはされてないのに、リアルに背筋が冷たくなるほど怖い。
だけどここで負けてたら全部取り上げられて
ふざけんな、おれはなにも悪いことなんてしちゃいねえ!
「う、ウソなんかついてねえ! アレは全部おれのもんだ! 誰のもんでもねえ、全部おれ一人のもんだ!」
おれも精一杯にらみ返した。
ヤクザのはなつ『冷たい怖さ』とは違うとわかっちゃいたが、それでも力いっぱい気合をこめてにらみ返す。
「……フン」
五秒後くらいだろうか。
芝浦は乱暴に手をはなした。
「とにかく
そう言い捨てて、通路の奥に消えていった。
……カッコ悪いが、解放されてホッと安心してしまうおれ。
安心ついでに牢屋の中央にドカッと
「あ、あの大丈夫ですかゼロさん」
部屋のすみっこから紫織が話しかけてくる。
彼女の顔色は
「まあなんとかね」
冷え切ってしまった空気を笑顔で
「あーくそ、武器も全部とられちまったしなー。
ノヴァ、お前には武器とかそういうの無いのかよ?」
冗談のつもりで脳内コンピューター『ノヴァ』に話しかけてみる。
すると。
『あります。本当に
「えっマジー!? 今がまさにその緊急時だって。やってやって!」
なんでも相談してみるものだと思った。
だがしかし。
『お待ちください。どちらも使用者であるゼロワン、あなたの健康を大きく
「お、おう?」
『まずは超高出力のレーザーカッターを放出することができます。しかしわたくし『ノヴァ』はゼロワンの脳内に存在しますので、必然的にあなたの
ブッッッ!!
おれは噴き出した。
『もちろんゼロワンの
おい待てや!?
『周囲五十メートル程度の空間に強烈な破壊エネルギーを放出することが可能です。使用した場合、当然ゼロワンはゲームオーバーとなります。
どうぞじゃねえええええええ!!
なんの役にも立たねえ
インカムマイクでおれたちの会話を聞いていた紫織は、しかたなくひきつった笑顔をうかべる。
「あ、あはは……。ノヴァってやっぱり機械なんだなあ。人間みたいにしゃべるからちょっとだけ誤解していたかも……」
いらない情報を得ただけだったおれたちは結局どうすることもできず、牢屋でじっとしているだけの時間を強要されることになってしまった。
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