俺達のジングル・ベル?

楽(がく)

第?章 メリクリ?

愛ゆえに

ある日のクリスマス

12月の土曜日。

寒く雪が降る中。

発達障害の事があまり理解が及ばない俺は伊藤春風さんの為に発達障害を猛勉強する事にした。

その中でネットで知り合った姉妹に出逢った。

彼女達の名前は佐藤満里奈と佐藤詩織と言った。

俺は彼女達とファミレスで待ち合わせる。


「楽しみ」

「だな。確かに。確か詩織さんは皮膚病を患っていたな」

「ん。確かにそう」

「だな。...楽しみだ」


そう話しながら俺達は待ち合わせる。

するとファミレスのドアが開いた。

それから店内に「お待たせしてます!」と声が聞こえた。

俺達は声の聞こえた方向を見る。

そこに包帯をした少女と。

笑みの絶えない少女が居た。

恐らくは佐藤満里奈さんと詩織さんだ。


「お初です。私、佐藤満里奈です。此方、妹の佐藤詩織です」

「宜しくお願いします」

「宜しくお願い致します!」


目を丸くしながら元気溌剌の少女を見る伊藤さん。

俺はそんな姿を見てから詩織さんを見る。

詩織さんは顔に大きな黒い染みがある。

だがそんな事は気にも留めないぐらいの満面の笑みだった。

伊藤さんが尋ねる。


「どうして...そんなに?」

「元気なのかって事ですか?」

「はい。何故?」

「私は...色々な方々に励まされて今に至っています。だから...元気なんです」


その言葉に俺達は顔を見合わせてからビックリする。

俺は「元気の秘訣はそれなんですか?」と聞く。

すると詩織さんは「はい」と頷いた。

それから頬を掻く。


「私、お姉ちゃんとはいざこざが有りました」

「!」

「それでも大好きな人が...私達の絆を繋ぎ止めてくれたんです」

「お強いですね」

「強いっていうか。私、彼に...」

「詩織。もう言ったら?彼と付き合っているって」

「おね、お姉ちゃん!」

「アハハ」


椅子に腰掛けてから対面で見る2人は本当に華やかだ。

正直俺達の悩みも吹っ飛ばしてくれそうな。

そんな感じがした。

俺はそんな満里奈さんと詩織さんを見ていると伊藤さんが「詩織さん。どうしたら相手の事をそんなに好きになれる?」と聞いた。

まさかの言葉に「い、伊藤さん!?」と動揺する。

伊藤さんの言葉に詩織さんは「相手を心から思いやる気持ちです。この信念は大切です」と胸に手を添え赤くなる詩織さん。

俺達は詩織さんを見る。


「相手を大切に想う心、信念が大切で相手を信じる事です」

「...まるで聖母みたい」

「確かにな」


すると満里奈さんが「実は以前、私がしおりの彼氏と付き合っていたんです」と俺達に告白する。

俺達は「え?」となってから満里奈さんを見る。

満里奈さんは「だけど私がその世界も全て壊した」と言いながら肩をすくめた。

俺は「!」となる。


「それは?」

「私は浮気して...全てを裏切りました」

「!!!」

「...そんな私を救ってくれたのはその彼氏でした」

「満里奈さん...」

「私は何を信じれば良いのか分からない中。彼が手を差し伸べてくれた。人間に戻してくれた。だから彼には感謝しかないんです」

「...」


満里奈さんは涙を浮かべながらそう話す。

それから「私なんかを彼は救った。だから私は彼をもう裏切る真似はしない」と言った。

決意に満ちた顔だ。

俺達は顔を見合わせてからまた満里奈さんを見る。

詩織さんが「彼は優しいんですよね」と苦笑してから頬を掻いた。

そして「そんな彼の優しい姿が好きです」と笑顔になる。


「凄い」

「?...伊藤さん?」

「私には真似出来ない絆」


伊藤さんはニコッとしながら満里奈さんと詩織さんを見る。

その中で詩織さんがテーブルから身を乗り出した。

それから俺達に聞いてくる。

興味津々な眼差しだ。


「あの。失礼ですが」

「はい?」

「お二人は付き合っているのですか?」


な。

そう思いながら俺は赤くなる。

伊藤さんも動揺しながら赤くなる。

見るからに赤面している。

俺はそんな姿を見ながら居ると伊藤さんが顔を上げた。

それから宣言する。


「付き合ってまだ短い」


という感じに。

俺はその言葉に「...」となりながら苦笑した。

それから俺はニコニコしている満里奈さんと詩織さんを見てから少しだけ複雑な顔で「実は俺達もなんです」と告げる。

満里奈さんと詩織さんは「?」を浮かべた。


「俺達も浮気の問題を抱えていまして」

「...そうなんですか?」

「はい。元カノがクズ過ぎました」

「そうだったんですね」

「はい」


それから満里奈さんと詩織さんは顔を見合わせてから「私達にアドバイス出来る事はありませんが...でもきっとその人も胸に何かを抱えているかもしれません」と言う。

俺達は顔を見合わせてから「ですね」と言った。

そして俺達は「ありがとうございます」と話してから苦笑してから満里奈さんと詩織さんを見る。

満里奈さんと詩織さんは「すいません。話が脱線し過ぎましたね」と言う。


「問題ないです。俺達も話が脱線したので」


そしてお互いに見合う。

それからニコッとしてから俺達は満里奈さんと詩織さんを見ていると...詩織さんが咳払いした。

そして「では本題に入りますね」と議論を進める。

満里奈さんと俺達は詩織さんを見た。


「宜しくお願いします」

「ですね。宜しくお願いします」


それから俺達は発達障害及び持病。

その理解に対する協議を行う。

そうして議論が進み時間は過ぎていった。



そして俺達は別れの時が来た。

ファミレスを出た後で俺達は満里奈さんと詩織さんを見る。

満里奈さんと詩織さんは「プレゼントがあるんです」と切り出した。

俺は「?」を浮かべてから満里奈さんを見る。

満里奈さんは鞄から赤いブーツを出した。


「本日のお礼に色々買いました」

「ああいや。あまり気になさらないで下さい」

「いえいえ。是非。クリスマスなので」

「...分かりました」


それから俺達はクリスマスプレゼントを受け取る。

すると伊藤さんが「あの。私も」と持っていた袋から2枚の手紙を取り出した。

その手紙を満里奈さんと詩織さんに手渡す。

俺は「伊藤さん。用意していたんだ」と苦笑する。


「ん。今日、せっかく会うし」

「...ありがとう。俺は何もお礼を持ってなかった」

「大丈夫」


そして満里奈さんと詩織さんは「ありがとうございます」と大切そうに手紙を鞄に仕舞う。

すると詩織さんが「雪、気を付けて下さい」と話す。

俺達も「電車で来られたんですよね。気を付けてお帰り下さい」と話す。

伊藤さんはゆっくり頷いた。


「大丈夫です。本日ほありがとうございました」

「お互いに良いクリスマス、お年を」

「また会いましょう」


それから俺達は握手し合う。

そして俺達は満里奈さんと詩織さんを見る。

本当に雪がさんさんと降ってんな。

こんな中に申し訳ない。

そうして居ると「恋愛。お互いに成就する事祈ってます」と詩織さんが笑顔で言った。


「ん。私も」

「だな。伊藤さん」


そして俺達は満里奈さんと詩織さんを手を振り見送る。

それから俺は横に居る伊藤さんを見た。

「今日は色々な意見を交わせた」と笑みを浮かべる。

俺はそんな伊藤さんを見てから「帰ろうか」と手を差し伸べてから手を繋ぐ様に促す。

伊藤さんはニコッとして俺の手を握った。


fin


☆後書き☆


皆様、メリークリスマス!

クリスマスはいかがお過ごしでしょうか?

作者はボッチなんで伊藤さんみたいな彼女が欲しいです。(切実)

皆様、是非クリスマスのご感想をお寄せ下さい。(何をしているとか)

今回は作品を混合しました。(笑)

お楽しみ下されば嬉しいです。

それではまた年明け(?)にでもお会いしましょう。


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