第8話 新たなる敵

「生きてたから妹さんは結婚式を挙げれたんだろ⁉︎君は結婚式に出席したいんだろ⁉︎ライオン仮面最終巻を買いたいんだろ⁉︎なら生きろ!生きなきゃ何もできない!走れ!走れーーーーー!」


「⁉︎……そうでした。オイラには未練がまだまだある!!神殿に殺されるわけにはいかない!!」


ルーが手を離すと、彼は走り始めた。心臓まであともう少し。


「種を吐け!種!」


「はい!!ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド」


種は超高速で心臓めがけて飛んでいく。いくら種だろうが、触手も破壊し、心臓を貫く。


ブシャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ


「ぐわっ⁉︎なんだ⁉︎心臓が破壊された⁉︎」


テンプルは衝撃のあまり、神経を手から離した。


「ヤバい神経が!クソッ!負ける!クソッ!クソッ!クソッーーーーーーーーーー!」


ズドォォォォォォォォカァァァァァァァンズドドドドドドドドドドドォォォォォォォォォォォンンンンンンンンンンン………









「…………ここは……」


「ルーさん!ルーさん!」


ティアの呼ぶ声がする。ルーは瓦礫の山の上で寝ていたようだ。


「ルーさん!あ、いた!ルーさん、大丈夫ですか⁉︎」


「……ティア、うん………多分大丈夫………。あ痛たた」


「無理しないでください。今すぐ手当します」


ティアは包帯を彼の足や腕に巻いた。消毒液が無いため、血止めしかできないが、やらないよりかはマシだろう。


「⁉︎……さっきの、さっきの人は!」


「さっきの人?フォッキーさんとフォクさんは、あそこにいますけど」


「違う。……ここら辺にはいない。………あ、いた!」


ルーはその人に駆け寄った。


「大丈夫か⁉︎今すぐ包帯巻くからしっかりして!」


「………あ、カンガルーのお兄さん……。やりましたね。神殿、倒せましたね。オイラはもうダメかもしれないです」


「だからそれをやめろt」


「いや、本当に、もうダメかも。骨も折れ、肺も潰れ、傷口に破片が、たくさん入ってしまいました……。……これ、オイラの妹の、写真と、電話番号です。彼女にこう言って、ほしいです。オイラよりも長く生きて、そして、自然に死ぬまでお幸せに……。あなたに出会えて、オイラは生きてて、良かったと思いました……………」


彼の身体は冷たくなった。ルーは涙をボロボロとこぼしながら叫んだ。


「おい!起きろ!……………」


「………彼も、来世では自然に死ねると良いですね」


「………………うん」


ルーたちは彼を埋葬した。彼の妹に、結婚式を挙げた直後に葬式をさせたくなかったからだ。


「王になったら、ライオン仮面最終巻買って、ここへ埋めにくるからね……それまで待ってて」


「ルーさんと彼は、仲良くなったんですね。とりあえず、先を急ぎましょう。ここにずっと居座っても、王になれませんからね」


「うん。行こう皆んな」


その時だった、どこからか地響きが聞こえる。何か巨大なものが通るのか?


「なんだ?この地響き」


「おい、あれ見てくださいっす!」


フォクが指差すと、巨大な影がいた。

よく見てみると、それは巨大なカバだった。カバは頭部だけで、胴体は鉄の円柱だった。義手や義足のようなものだろうか?


「なんだアイツ……」

「隠れるぞ!おいルー!」


ルーは埋葬した場所を動かない。きっと彼が心配なのだろう。


「ルーさん!今は自分が生き残る事が優先です!」


「……ああそうだった!ごめん!」


カバは辺りをキョロキョロと見渡す。目がガン開きで、目元にはクマがある。

真夜中なのにも関わらず、かなり興奮状態のようだ。おまけに息も荒い。

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