警告

@sy9980

第1話

一人暮らしの祖母が住んでいる家は、築三十年以上の日本家屋で、『パキッ』『ギシギシ』『ミシッ』とにぎやかな音がする。

寒暖差の激しい季節になると、特にひどくなって、一日中ずっと家中鳴り続けていた。

そもそも古い家の家鳴りは、木材の劣化によって本来の強度を保つことができなくなり、地震などの耐久性に問題があるということだ。

祖母のためにも一刻も早く調査をして、家の耐震性を上げなければならないだろう。

けれど最近、『パンッ』とか『パチパチ』『ドン』と何もないところから乾いた破裂音や金属音も混じるようになり、調べてみると、それは『ラップ音』というものだった。

ご先祖さまが未来に起こるよくないことを伝えようとしているらしいが、他の音でかき消されてしまうので、聞き逃しがちなのだった。

そんな週末の早朝のこと。

寝ぼけてぼんやりした頭でも、家の周りの霜柱を誰か踏んでいるのに気がついた。

外はまだ真っ暗なのに、真相を確かめにいく勇気は私にはない。

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