白い音
和よらぎ ゆらね
白い音
街は星を地面に降ろした
ショーウィンドウの光が
夜をやさしく欺いている
鐘の音は雪になって
屋根から屋根へ降り積もり
誰かの願いを白く包む
ぼくの部屋にも
かすかな鈴の残響だけが迷い込み
影と影が静かに寄り添っている
白い息で名前を呼んでも
返事は光の向こう側
白いひげのおじいさんは今夜
幸福な家だけを知っている
世界が愛を配る夜
ぼくは孤独を抱えたまま
溜息でそっと窓を白くにごらせた
白い音 和よらぎ ゆらね @yurayurane
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