いざという時
笑み眠
「いざという時」
西川「えっと、全部で20000円で6人だから、1人3333円だね。3300円でいいよ」
三國「それだと西川が損しちゃわない?」
西川「まあ200円くらいだし別にいいよ」
石塚「それはダメだよ。お金のことはちゃんとしとかないと」
三國「そうだよ。後で揉めるよ?」
西川「200円で?」
三國「いやほら、後でピノとか買う時にあの時のお金あれば〜とか思ったりするじゃん」
西川「まあ思うことあるかもしれないけど、そんなのすぐ忘れるでしょ」
石塚「じゃあパピコの時は?」
西川「同じだよ。」
三國「じゃあもし200円で両親が助かるってなったら?」
西川「そんな状況ねえだろ」
石塚「じゃあパピコで両親が助かるってなったら?」
西川「命が危機の時にパピコなんて役に立たねえよ」
石塚「どれくらい?」
西川「え?」
石塚「どれくらい役に立たない?」
西川「あー、えっと...あー、ほら!そろばん!そろばんくらい役に立たない。いやほら、今電卓とかあるしさ、そろばんって役に立たねえじゃん」
石塚「そっか、そろばんくらい役に立たないなら諦めるよ」
西川「気持ちは嬉しいけど、細かいの増えると嫌だし全然いいって」
三國「あれ、そういえば田原と江崎と笠垣は?」
西川「なんかコンビニ行くって。多分たばこじゃない?」
三國「うわー、俺もついていきゃ良かった」
西川「三國ってたばこ吸ってたっけ?」
三國「いや、今現金なくてさ、下ろそうと思ってたんだよね。ちょっと行ってくるわ」
西川「別にPayPay でもいいよ」
三國「ほんと?助かるわ。じゃあ先に送っとくね」
西川「ほい」
西川「3330円じゃねえか」
三國「PayPayだったら邪魔にならないだろ?」
石塚「じゃあ私も先に渡しとくね」
西川「おー、サンキュー」
石塚、西川に3330円を手渡す
西川「お前話聞いてた?」
石塚「親のこと言われたらもう払うしかないじゃん」
西川「パピコで親が助かる話したのお前だろ」
石塚「ホワイトサワー味ね」
西川「何味でも一緒だよ。カルピスみたいな味のアイスで命救えねえって」
石塚「いいから受け取って」
西川「わかったわかった。そこまで言うなら受け取っとくよ」
2人登場(田原、笠垣)
田原「ごめんごめんお待たせ、さっきの店いくらだった?」
西川「1人3300円だね」
田原「オッケー、うわ、俺現金2000円しかないわ」
三國「お前コンビニ行ってただろ。ていうか江崎は?」
田原「トイレだって」
笠垣「江崎に電話して頼めば?」
西川「あー、別にPayPayでもいいよ」
田原「俺Alipayしかやってないんだよね」
西川「そんなやついねえだろ。中国人しか使ってるの見たことねえよ」
田原「いや、中国に旅行行った時に登録して、その時すっごいキャンペーンやってたんだよ。出始めの頃だったから。それで300万ポイント当たっちゃってさ、俺も困ってんだよ」
西川「すげえな中国。ちゃんとした理由あるんだ」
田原「使うところ限られてるからあっても金持ってる気しないんだよね。まあいいや、ちょっともう一回コンビニ行ってくる」
西川「あ、待ってそういえばこの前2人で見に行ったライブのチケット代払ってないや」
田原「そうだっけ」
西川「その時が確か5200円だったから、1900円渡すわ」
田原「なんか端数なかったっけ?」
西川「5180円だったけど別にいいよ」
田原「いや悪いって。20円返すよ。金で揉めたくないし」
西川「20円で揉めるくらいならもうとっくに友達じゃねえだろ」
田原「いやコンビニでアイス買う時とか、端数ない時よくあるじゃん」
三國「ピノとかね」
石塚「パピコとか」
田原「そうそう、あとさつまいものやつとか」
西川「さつまいものアイスは買わねえだろ」
田原「いや買うでしょ」
西川「買わねえよ。ていうかさつまいものアイスを食べたい気分になったことねえよ」
田原「そうかなぁ?」
石塚「パピコでも?」
西川「パピコだろうがなかろうがだよ」
三國「ピノでも?」
西川「だから変わんねえって。芋を食いたいと思ってアイス買うやつなんていねえんだよ。スッキリしたいからアイス買うだろ」
三國「アソートパックでも?」
西川「それは...アソート出すのはずるいだろ」
三國「キャラメルの代わりにさつまいも味でも?」
西川「だからずるいって。キャラメルの代わりなら何入ってても嬉しいだろうがよ」
田原「俺はキャラメル好きだけどな」
西川「さっきから金じゃなくてアイスで揉めてない?...まあいいや。じゃあ1880円渡すよ。小銭増えるの嫌だし」
江崎登場
江崎「ごめんごめん、前の人が全然出てこなくて。前の店いくらだった?」
西川「1人3300円」
江崎「あ、やべえ現金ねえわ」
田原「お前もかよ」
江崎「さっき下そうと思ってたのに忘れてた」
田原「西川、江崎と行ったライブとかないの?」
西川「俺そんな清算に都合いい人間じゃないぞ」
田原「あ、じゃあ江崎、前の麻雀、俺負けてるからその分払うよ」
江崎「え、いいの?助かるわ」
田原「あの時の清算まだだよね?西川と三國も居たよな?」
三國「ああ、あの時か。俺メモってるから見るね。えっと、西川が-4325円、俺が+3330円、田原が−5774円、江崎が+6769円」
笠垣「なんでそんな端数出る麻雀してんの?キモいんだけど」
田原「えーっと、じゃあどうなる?一旦さっきもらったやつ返したほうがいいか?」
江崎「なんかSPIの問題みたいだな」
田原「一旦図にしてみる?」
西川「とりあえず三國は今日の分クリアでしょ?」
田原「いやそれだと三國が30円損じゃない?」
西川「いや三國からは3330円もらってんだよ」
田原「え、今日の会計3330円なの?」
西川「全部で20000円だけど、3300円でいいって言ったんだよ。でも三國と石塚は好意で3330円くれたの!」
田原「じゃあ俺も3330円払うよ」
西川「いいよもう200円くらいだし!お前ら昔金で揉めてなんかあったの?」
江崎「いやでも、ピノとか買う時思い出さない?」
西川「お前らアイス好きだなぁ!!もう俺が買ってくるから!後で!!ちょうど6人で分けれるだろ!」
石塚「私パピコがいい」
西川「お前は黙ってろ!話進まないから!とにかく、三國は俺がPayPay で返す。そんで田原が江崎の3330円を俺に渡す!で、田原はさっき渡した金から30円俺に渡す!そしたらとりあえず田原の負債は江崎に2444円!俺は江崎に995円!これでいいだろ!」
石塚「すごい、全部あってる」
江崎「ほんとに?もう一回電卓で確認したほうが良くない?」
田原「一旦図にする?」
西川「なんでお前はさっきから図にしたがるんだよ」
三國「そういえばこの前江ノ島行った時のガソリン代もまだもらってなかったな」
田原「ああ、あれいくらだった?」
三國「えっと、4300円だね」
田原「あの時笠垣と西川いなかったよな?」
江崎「あ、やっぱ麻雀の負債分今日全部もらえたりする?明日でかい出費があるんだよね」
笠垣「私この前の映画館代とご飯代払ってないからそれも今払っていい?」
石塚「なんかSPIの問題みたいだね」
西川「ああああああ!!!もう!!お前ら細かいよ!!」
江崎「え、笠原と西川映画館行ったの?」
西川「うるせえ!!!俺は三國に3330円渡す、そんで田原が江崎の分の3330円とさっきの30円をで3360円俺に渡す!そしたら田原の負債は江崎に2444円!で、ガソリン代の4300円を4人で割った1075円があるから江崎と田原は三國にそれを渡す!俺は江崎に995円払う!笠垣は俺と付き合ってる!これでいいだろ!!」
石塚「なんでそんなに計算早いの?」
西川「そろばんやってたんだよ!!!!!!」
田原「あ、帰りの電車賃30円足りないわ」
西川「殺すぞてめえ!!...っていうか今だいぶ金で揉めてないか?」
江崎「お前ら付き合ってんのかよ。全然知らなかった」
笠垣「ごめん、言い出す機会なくて」
田原「お前ら今日全然喋ってなかったもんな」
西川「いやそれは...喧嘩してたし」
石塚「そうだったんだ。なんで喧嘩したの?」
江崎「今仲直りしとくほうがいいんじゃない?」
西川「前のデートで俺が端数まで割り勘しようとして喧嘩して、ずっとぐちぐち言うから」
笠垣「でもそれはいちいち細かいあんたが悪いじゃん」
西川「ああ!!俺が悪い!今ならはっきり言えるね!!細かすぎた俺が悪い。お前の気持ちがよくわかった。ごめん」
笠垣「私もごめんね、なんか意地になっちゃって、謝る機会見失った。ちょっとパピコ買ってきてよ。帰りに食べよ」
西川「え?ああ、うん。ごめん」
笠垣「ホワイトサワー味ね」
石塚「...命救われたじゃん」
西川「うるせえ」
田原「端数もらっといて良かったな」
西川「お前は黙ってろ」
いざという時 笑み眠 @goodpodpoo6
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