まともに人間ができない。
あるかり
言えない思い。
メリークリスマス。
街中にいる人たちは浮かれている。
みんなメリークリスマスやらメリクリやら何かを言っている。
イルミネーションをみて綺麗だけど君のほうが綺麗だよとかそんなベタなことを言っているカップルも多くみられる。
いかに憂鬱なことか、クリスマスなんて名前がついているだけであって結局サンタさんなんて現実にはいないし、クリぼっちには人権がないかのように外の空気は肺を破るかのような寒さ。
外に出て景色を眺める意味などない。誰かが一生懸命に飾ったイルミネーションの飾りもカップルが自分の恋人を褒めるために貶し、どうせそのカップルは別れるし、イルミネーションなんてたったひとときの間にしかない。
結局この日に意味はあるのか。ただの平日。冬休み。
まともに勉強もせずただどうでもいい動画を見て時間を潰し、ネッ友と通話をしたりして満喫したつもりになるけれど、何も結局進んでいない。冬休みが始まる前には宿題を終わらせてしまい、明日からは塾が1日80分×5ある。
何が楽しくて生きているんだろう。
今日だけはゆっくり過ごそうにも罪悪感が募る。
でもいつも積み重なるだけで結局何も変わらない。
勉強なんてする気にはならないし、夜更かしするなと言われているのにしている自分は決して良い子などではない。
親はプレゼントをくれるし頑張ってると言ってくれても自分は自分に対してそんなことを思えたことがない。
ふざけていない限り、自分に対して「えらい」、「頑張ってる」、「努力してる」なんて思えないから、親に対して申し訳なさが勝つ。
何も言えないから、「ありがとう」しか言えないから、抱え込んでしまう。
やはり自分にはサンタクロースなんて来ないのだ。
まともに人間ができない。 あるかり @popotannpo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます