月の流血〜BLOOD OF THE MOON 〜

成田るく

プロローグ

 神は片割れに言う。


「俺がこの世界に産み落とされた時、世界は闇だった。全ては存在せず、しかし一方で全てはそこに在った。いく数年の時を経て、暗闇の中に針の穴ほどの光を知った。手を伸ばすと、それはお前だった。」


片割れは神に言う。


「貴女は私の光。全ての希望。貴女無くして、私は存在し得ません。貴女のいない世界は、全てが闇であり、無なのです」



  二人の部屋は虹色の鮮やかな光に包まれている。



  神と片割れが手を取り合う度、新しい種が生まれ、その歴史が始まる。

三度目に突入したこの『世界』は、重大な岐路に立たされていた。

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