あなたの記憶、買い取ります
河内 謙吾
プロローグ
国が、記憶を買い取る時代になった。
記憶とは、その人が人生で見てきた景色、経験、感情──
すべてを含んだ、たった一つの情報だ。
いまや、それが貨幣の代わりになる。
高く売れる記憶もあれば、誰にも値をつけられない記憶もある。
誰もが一度は考える。
「もう思い出したくもない記憶が、金になるなら──」と。
その買い取りを担うのが、MIRA(Memory Integration & Resource Agency)だ。
政府直属の記憶統合機関であり、国家が記憶を“資源”として管理するために設立された。
建前はこうだ。
──「記憶を資源に、未来を豊かに。」
だが、本当のところを知る者はいない。
MIRAは、何のために、誰のために、記憶を集め続けているのか。
そして──その先に、何が始まろうとしているのかを。
プロローグ 了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます