一日一善、一日一書。
泣いた人
2025/12/24 雨が降った日
終了式が終わり、通知書を渡す生徒も少なくて先生の雑談で残りが終わった二学期。ザーザーと降る雨に、傘の幅が狭くて太刀打ちできないまま、半分諦めて雑談をしながら妹と歩きました。
ボロボロな指の先はしもやけて赤くなり、靴には冷たい雨が入って気持ちの悪い感触がしましたが、数分経つと感覚は消えていた午前。形になった私の息は、冷たい水を容赦なく落とす雲に交じって見えました。
家に帰り、熱いお湯を浴びた後、自習をして新たな知識を脳に叩き込みました。そんなことをして時間が経って、小説を書きつつもリビングで温まっているといつの間にか窓の外は真っ暗でした。
飼い犬のトイレの為に外に出すと身を刺すような寒さが私を襲い、思わず自分の腕を抱えました。ですが雨上がりの暗い夜は、道路でさんざめく車たちの光に雨粒が照らされ、私は寒さを忘れました。
母と父が家に帰り、ビニール袋から骨付きチキンを取り出したのです。そして再度思い出しました、"今日はクリスマス・イヴだ"と。
寒いけどまだ雪が降らない冬。暖かい食卓はしもやけの手を溶かしてくれました。
一日一善、一日一書。 泣いた人 @Naita_hito
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