未知との出逢い。
崔 梨遙(再)
デザートの 掌編930文字です。
僕は、20代の終わりは或る会社に勤めていました。化学メーカーの工場です。場所は岡山でした。僕は整備や物流の仕事をしていたのですが、寮から会社(工場)まではマイカー通勤、要するに車が必要でしたので車に乗っていました。そして、久しぶりに新車に買い換えたのです。
寮には親しい年下の先輩がいまして、広島まで遊びに行こうと新車を走らせていました。そして! あの信号待ちがあったのです。
信号待ちですから、こちらは完全停止。そこへ後ろからノーブレーキで突っ込まれたのです。要するに追突されたのです。
こちらは新車にぶつけられて怒り心頭! スグに車から降りました。僕にぶつかったのは白い軽自動車でした。軽自動車から女性が降りて来ました。チビ&デブ&ブス、ますます怒りが込み上げてきました。キレイな女性なら怒りがおさまったのか? と聞かれるとなんとも言えませんが・・・。
僕は、まず最初に相手が謝ってくると思いました。ところが、彼女はこう言いました。
『これって、運命の出逢いですよね!?』
『はあ!?』
『今週の占いに書いてあったんです! 運命の出逢いがあるって!』
『はあ・・・』
『これが運命の出逢いだと思うんですけど』
『・・・とりあえず、警察と保険屋さんに電話しましょう・・・』
僕は呆れて、何も言えなくなりました。ちなみにその女性は、どう見ても40代でした。柴田〇恵に似ていました。ちなみに僕は、前述の通りまだ20代でした。
事故証明も解決、後は保険屋さんに任せることになりました。その時! 彼女は小走りで近付いて来て僕にメモを渡しました。見ると、番号。
『私の電話番号です。私、ミチって言います。未来の未に知ると書いて未知です! 私のこと、忘れないでくださいね!』
『こんな不愉快な目に遭って、忘れたくても忘れられへんわ!』
翌日から、後遺症で僕はムチウチになりました。その後、ムチウチは僕を20年くらい苦しめてくれました。未知はムチウチという未知の世界を僕に見せてくれました。
やっとムチウチもかなり治まりまして(まだ雨の日は調子が悪いですが)、今はそこそこ元気にこうしてエッセイを書いています。コンテストには応募しませんが、お題だけいただいて気分だけ楽しみます。
クリスマスですね。
メリー・クリスマス!
未知との出逢い。 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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