第二章:出会い編
第十三話:隣町
あれから2日。そんなにかからずに、隣の町までこれた。
とはいえ、ここも小さな町だから、私が求めている情報や、精霊についても知ることはできないだろう。
しかし、食料は大事。お金も必要。
だからダンスをしてお金を稼ぐ。そのために、実はシェシェと一緒に、きれいに見えるダンスを練習したのだ。
「よし。シェシェ、準備はいい?」
「いつでも大丈夫。」
シェシェの返事を聞いて、私は目の前に袋を置いた。
「じゃあ、いくよ。せーの。」
手を挙げて、くるっと回る。腕をおろして、もう一度大きく円を描くように両手を上げる。
同時に風が、衣装をなびかせる。シェシェだ。軽やかな生地は、風に舞って大きく揺らめく。
透ける布が、光を通し、まるで草がそよぐようだ。
踊っていると、一人、また一人と足を止めてくれる。
最初は稼げなくてもいいと思った。でも、見てくれる人がいると、やはり嬉しい。
「綺麗ね。」
その一言が聞こえた瞬間、とても嬉しくなった。
頑張って練習してよかった。
ダンスを終えて、お辞儀をする。
チャリン。
心臓が跳ねた。初めて自分で稼いだお金に、重みを感じる。
ほんの少しだが、袋にお金を入れてくれる人がいた。
「とっても綺麗だった、どうやってあんなに服が揺れてたの?」
「初めて見たよ。どこから来たの?」
何人かの人が声をかけてくれた。
旅をしていること。精霊のこと。色々話した。
シェシェは他の人には見えないから、そこにいることは話せない。
「近くに安い宿はありますか?」
「それなら、すぐそこの宿がいい。というか小さい町だからそこしかない。」
「ありがとうございます。」
御礼を言って、すぐに荷物をまとめ、宿へ向かった。
ワクワクと、ドキドキ。同時にものすごい疲労感に襲われる。
足が重く、宿までがすごく遠く感じるほどだった。
「今日はなかなか出来が良かった。」
「そうだね、でももっと良くなる。もっときれいにできるよね。私たち。」
「うん。」
シェシェにほめられながら宿に入る。
その日の料金を払うと、食事も忘れて、私はすぐに眠りについた。
「おやすみシェシェ。」
「おやすみ。マリー。」
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