第五話:精霊士の血筋

「今日は何してたの?」



母にそう聞かれて私は今日の出来事を細かく話した。


「まあ、そんなことがあったの?やっぱりマリーにはレイズの血が流れてるのね。」


そういいながら私の頭を撫でた。


「なんで?お父さんは魔術師だったんでしょ?精霊士じゃないよ。」

「そうね、でもお父さんのお母さん、つまりおばあさんが精霊士だったの。」

「そうなの?初めて聞いた。」

「そうね、マリーは会ったことないし、私も一度しかお会いしたことないの。」

「一回だけ?なんで?」

「もともとお体の弱い方だったらしいの。私がお父さんと出会ったときにはもうだいぶお疲れになってて、見せたいものがあるからすぐに結婚してほしいって言われたの。で、すぐに結婚することになった。結局それが最初で最後だったわ。その時よ。精霊術も見せてもらったのは。」

「そうなんだ。何を見たの?」


私は、自分の心がとても踊っていることに気づいた。

さっきジャックさんに、やけに元気だって指摘されたけど、あれは気のせいではなかったのかもしれない。

とにかく、私は自分で思う以上に精霊に興味が湧いた。どうしてもっと早く出会えなかったのか悔やまれるほどに、私の心をつかんで離さない。


「そうねぇ。詳しいことはわからないけど、雪の精霊って言ってたわ。キラキラしたものが空から降ってきてとてもきれいだったわ。雪だったわ。キラキラしてた。この国で降ることはないから、今でも鮮明に覚えているわ。」

「雪かぁ。私も見てみたいな。」

「そうねウデリア国では降らないものね。それともう一つ、おばあ様が舞を舞ってくださったの。雪を降らせるときに。あれはとても美しくて、今、私やマリーのダンスのもとになっているわ。」

「うそ。著作権とかないよね?」

「ないわよ。たぶん。マリーのこと見てるかもしれないしね。」

「そうだね。」


精霊や雪、南の国にはやりの生地の話。今日は驚くほどたくさんの話や出来事で、私は胸がいっぱいになっていた。

でもやっぱり、私の心を奪って離さないのは精霊だった。


「明日は図書館に行きたいから、朝から出かけるね。」

「わかったわ。朝ごはんはちゃんと食べていくのよ。」

「はいはい。」

「はいは一回。」

「はい。」

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