第四話:旅の話

「こんばんは。」


「いらっしゃいませ。ってマリーじゃない。」

「こんばんは。夕食を食べにきたの。」

「珍しいね。夕食の時間に来るなんて。」

「さっきまで教会にいたの。せっかくだからお母さんと一緒にご飯を食べようと思って。」

「そっか。もう少ししたらリリアのステージが終わるよ。どうする?先に注文する?」

「そうする。チキンとスープをお願い。」

「かしこまりました。すぐ持ってくるね。」


そう言ってネアは厨房へ向かった。


「ようマリー、珍しいなこんな時間に酒場に来てるなんて。」

「ジャックさん。こんばんは。お久しぶりです。」

「久しぶりだな。どうだ最近は、魔法とか勉強とか。」

「ぼちぼちやってますよ。それより今度はどこ行ってたんですか?」

「今回は、南の方の国に行ってたんだ、最近王都の方では南部の生地の柄が流行ってるからな。買い付けに行ってたってわけだ。今なら高く売れるからな。」

「なるほど。なんて国ですか?」

「イーリヤって国だよ。あそこは寒くならねえから、基本的に豊かで綺麗な国だ。」

「イーリヤ!前に本で読んだことがあります。海の向こうの国ですよね。うちの国から海を渡っていくには一番遠い国ですよね。海では巨大な怪物が出るって聞いたことあります。」

「おおーさすがよく知ってるな。そうだ、あそこにいくには大きな船と、腕っぷしの強いやつを大勢用意しないといけねえ。それだけのものを用意すると金がめちゃくちゃかかる。だが俺の商会は国の中でもトップクラス。それにイーリヤのもんは、流行りの生地以外でも十分高く売れるってもんだから、いく価値は高いってわけさ。それにしても今日はいつもより元気だな。」

「そうですか?良いなー、私もいつか行ってみたいな。」

「そうだな。おめえがもうちっと大きくなったらいくといい。いい経験になるだろう。」

「そうですね。そのためにも、勉強も、魔法も、踊りも頑張らなくっちゃ!」

「おうおう、その意気だぜ。」


「お待たせしました。」

ことっ。


ジャックさんと話し込んでいると、ネアが料理を運んできた。

その後ろに、ステージの終わった母もいる。


「2人で楽しそうに話して、何の話してたの?」

「お母さん。お疲れ様。」

「マリーとジャックさんは、またジャックさんの買い付けの話をしてたんですよ。」

「それは楽しそうね。ぜひ私も聞きたいわ。」

「おう。何でも聞いてくれ。旅の話はいい土産になるぜ。」



仕事を終えた母も加わって、三人で楽しい旅の話に花を咲かせた。

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