第3話 運動会、四つ巴のリレー対決!?
夏が過ぎ、秋の学校行事として運動会が開催されことになった。中学校の運動会は、クラス対抗リレーや綱引き、騎馬戦など、かなり本格的だ。生徒たちは体育の時間を使って練習に励み、グラウンドには活気あるれていた。
陽葵は足が速い方だったので、すぐにクラス対抗リレーの選手に選ばれた。心春は「私、足遅いから応援専門!」と言っていたけれど、綱引きの選手には選ばれていた。結城くんはもちろん、バスケ部のエースとしてA組のリレー選手だ。そして、青山くんも運動神経抜群で、B組のリレー選手に選ばれた。
「結城くんに負けないように走るぞ!」陽葵は放課後の練習でも気合い十分だ。「青山くんも速いから、負けられないね!」
運動会当日、グラウンドは生徒たちの熱気で包まれていた。B組の陽葵と青山くんは赤色のハチマキを巻いている。
午後の部のメインイベント、クラス対抗リレーの予選が始まった。陽葵はアンカーの一つ前の走者、青山くんはアンカーだ。「頑張ろうね、桜庭さん」と青山くんが笑顔でバトンを渡してくれた。「うん!」陽葵はバトンを強く握りしめ、全力で走った。
そして、男子リレー。結城くんと青山くんが直接対決する場面があった。二人ほぼ同時にバトンを受け取り、デッドヒートを繰り広げた。隣のレーンを走る二人の姿は、まるで映画のワンシーンのようだ。観客席からも「まひろー!」「りつー!」と黄色い声援が飛ぶ。結果は結城くんの勝利だったけれど、青山くんも負けず劣らず速かった。
「結城くん、速かったね」と陽葵が声をかけると、「青山も速かった」と結城くんはクールに答えた。
女子の綱引きでの決勝戦では、相手はA組だ。「よーし、負けないぞ!」陽葵はロープをしっかり握りしめる。心春も隣で気合いを入れている。「オーエス!オーエス!」みんなで声を出し、必死で引っ張った。手のひらがローブで擦れて痛いけど、クラスのために、そして結城くんたちに勝つために、力を振り絞る。結果は……B組の勝利!みんなで喜び合った。
運動会という行事を通じて、みんなの絆が深まった。陽葵は結城くんへの想いを再確認しつつ、青山くんの運動神経の良さにも驚いた一日だった。
諦めない!恋のトライアングル、新学期編 月神天音 @Yukizora
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