ワールドイズメルトダウン
YOUTHCAKE
潜入
『貴様!吐け!なぜアワーワールドの者たちが、大統領暗殺を企てる?!大人しく人体実験をしていればいいものを!吐け!正気か貴様ら!』と捜査官は興奮しながら男に問い詰めていた。
2050年現在、アワーワールドは本来人体実験が趣味の悪徳組織であり、その組織の公の認識は、『非常に問題がある。有志の人間たちを集め、彼らを動物に変える。』という見方である。そのため、その所在をしり、存在を知るものから、忌み嫌われていた。
そして、それに近づく者はおらず、そして己の身に危険が降りかからないようにするために、触らぬ神に祟りなしという態度を貫いてきた官公庁が後を絶たなかった。
そのために全国的に拡大してしまったアワーワールドは、いまや手の付けようのない危険組織になっており、日本国大統領も、見て見ぬふりをするという状況に陥ちっている。
しかし、大統領が見て見ぬふりをする見返りとしてか、アワーワールドが政治経済にテロをかけようとする計画は長年見られてこなかったが、ここにきて約一名の単独テロ犯が乗り込み、公の前での大統領演説中に、襲撃をかけてきた。
『ハハッ。僕はアワーワールドの中でもぺーぺーな存在だ。ただ社会見学としてこういうことをやってみたかっただけさ。彼らは果敢に挑むことを恐れてる。僕が見本を見せてやらないとな。計画なんてないよ。僕個人の思想だ。さて、手錠をどうぞ。』と男は平然として言った。恐れる様子も何もない、当然の対応を待つという態度を取っている。
勢いをそがれた捜査官は『クソやろう。貴様の指示通りに逮捕するのがこんなに億劫なことだとはな!とにかく、貴様は国家反逆罪で重犯罪者専門の刑務所に連れていかれるぞ?それがどういうことかわかるか?覚悟はできているんだろうな?』と捜査官は言った。
男は、『唾を飛ばすなよ。楽しみで仕方ない。』と舌なめずりをして顔に飛んだ捜査官の唾を舐り取った。おそらく彼はゲイなのだろう。刑務所内で男同士のホリアイがあるのを知っていて、楽しみにしていることから。
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