日本では当たり前なのに
星之瞳
第1話
「あった、残ってた!よかった~!売り出しの卵。えっとお一人様1パックなのね。でも近ごろ高くなったから助かるわ」私は卵をレジかごに入れた。
「朝は卵かけご飯か、納豆に味噌汁があれば忙しい日も大丈夫だし、あ!卵ごかけご飯用のしょうゆも買わなきゃ」私は他に買わなくてはいけないものをかごに入れ会計へと向かった。
卵は料理に無くてはならないもの、卵ごかけご飯に、目玉焼き、卵焼き、卵とじや、スープにも使えるほんとに万能食材。特に卵かけご飯は忙しい朝によく食べている。
だがそれから数日後私は衝撃の事実を知ることとなる。
家事がひと段落してお茶をしながら私はYouTubeのショート動画を見ていた。そこに出ていたのが、『卵かけご飯を始めて食べました。おいしいですね。母国では卵の生食が禁止されているので』とか、『すき焼きの牛肉を生卵に浸して食べたらとてもおいしかった。初めて食べた』と言う外国人の投稿を見たのだ。
え!外国では卵を生で食べないの!!国で禁止されるってそんなことある?日本じゃ昔から当たり前に食べてるわよ。
驚いた私はとにかく調べてみることにした。
外国ではサルモネラ菌が付着しているので卵を生で食べるのを禁止していたり、元々食べないところが多いことが解った。
それに対して日本は徹底的な衛生管理のおかげで、生で食べても問題ない。賞味期限も生食が出来る日にちに設定されている。それを過ぎたら過熱して食べれば賞味期限を過ぎても1,2週間は大丈夫なのだそうだ。
ただ、サルモレラ菌が全くついていないとは限らないので、乳幼児、妊婦、お年寄り、免疫の低下している人などは生食は避けた方がいい。
そして殻を割ったらすぐに食べること。時間を置くと菌が繁殖する場合がある。卵の殻に傷がついている場合も生食は避け加熱して食べるようにとの事だった。
はぁ~・・・。調べてみて、私はため息が出た。日常で普通にやっていることが多くの人たちの働きによって維持されているのが解ったからだ。
そう言えばうちの卵は?私はそう思うと冷蔵庫を見に行った。確かにパックの卵は採卵日と賞味期限が書いてあった。
「ドアポケットに入っていたのはいつ買ったっけ?」記憶をたどると週一回の買い出しの日だということが解った。
「これも大丈夫そうね。でもこれからどうしようか?体調が悪い時は生食は控えた方がいいよね」
色々考えたが、パックからドアポケットに移すときに入っていた賞味期限のメモを冷蔵庫にマグネットで止めることにした。
夕飯の時私は家族にこの事を話した。主人も息子も驚いていたが、私がドアポケットに賞味期限のメモを張る事を伝えると賛成してくれた。
今回知ったことは、日本がとても恵まれているいう事。
「日本に生まれてよかった」私は心からそう思った。
日本では当たり前なのに 星之瞳 @tan1kuchan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます