倭人伝
神薙 なぎ
胎動編
序記
この世には、異能を宿す人間が存在する。
その力の発現原理は未だ解明されておらず、彼らが引き起こす現象は現代科学での再現も符説明も不可能とされている。
この得体の知れない力と古来より〝人に非(あら)ず“とされた存在と通底している。
故に、異能を宿す人間達は『よく分からない日本人』という意味を込めて、
『倭人』(わじん)と呼称される。
彼らは何時の世も社会の影に潜み、生まれ持った異能を以て、超常の存在『妖(あやかし)』の脅威から、人々を、国を守って来た。
しかし、時代は進み、人々の信仰の低下や科学技術の発展に伴う活動領域の拡大により、超常の存在である妖は力と居場所を失い、今や絶滅と言って差し支えない存在と成り果てた。
結果、彼らを狩る事を生業として来た倭人達は存在意義を失った。
されど、国は彼らを見捨てなかった。
未だ解明し得ないその力を国策に利用すべく、水面下で登録制度を整えた。合法的に異能を行使出来る倭人はごく一部に限られ、国の為に働く公僕となった。
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