目玉焼き、何をかけるか論争

あざみ忍

第1話 キミたちは何をかけるか?

 万能食材の『卵』、その中でも最もポピュラーな料理といえば、そう目玉焼きである。シンプルかつ王道だからこそ、普遍的な人気を確立しているわけだが、残念なことに、この目玉焼きには切っても切れない問題がひとつある。それが『目玉焼き、何をかけるか論争』だ。多くの人間が自らの主張を他者に押し付け、日夜争いが絶えない永遠のテーマ。今日はそのことについて、このオレ佐伯さえき裕哉ひろやが考察してみるから聞いて欲しい。


 まずはこちらも王道の醤油を紹介しよう。とある調査によると、およそ6割近くが支持している味付けだが、主に北海道や東北地方などで高い割合を誇っている。悩んだら醤油という人が多くいる結果だ。そして万能食材×万能調味料=最強、という方程式も存在するほど、醤油には安定感がある。


 次に紹介するのは塩・胡椒。卵本来の味を楽しみたい方は漏れなくこちらを選んでいるだろう。ちなみに近畿地方では醤油を抑えて、塩・胡椒が多く選ばれる傾向がある。これは一概には言えないかもしれないが、薄味文化が強い近畿地方ならではのチョイスなのかもしれない。


 3つ目に挙げるのはソース。ウスターやとんかつなど地域によって種類に差は生じるが、ソースもまた一定の支持を集めている。主に東日本で好まれるソース。塩・胡椒とは逆に、濃い味で食したい方にはオススメの調味料となる。


 他にもケチャップにマヨネーズ、中にはめんつゆといった少し王道とは外れた、チャレンジャーな選択肢もあるのが実に興味深い。だがこれは卵には無限の可能性が秘められているという証明でもある。


 さて、そろそろ結論を出そうじゃないか。ここまで読んでくれた諸君なら薄々分かっているかもしれないが、ここでオレの考えを伝えておく。それは、『みんな違ってみんな良い』。多種多様な生き方が尊重される、この時代に相応しい結論ではないだろうか。これからも目玉焼きを食す際、迷うこともあるだろう。だがそれも人生だ。諸君には決して後悔しない生き方をして欲しい。


 ちなみにオレは卵が苦手で、食べることができない! 以上!

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目玉焼き、何をかけるか論争 あざみ忍 @azami_shinobu

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