ヤツに裁きを!!

レッドハーブ

ヤツに裁きを!!

みんな、聞いてくれ!

オレの会社にはひどいヤツがいるんだ。 

女上司でよぉ、これがまたイヤなヤツなんだよなぁ……。


「勝手なことしないでくれる?」

「あなた、指示待ち人間なの?」


毎日これの繰り返しだ。

イヤになっちまう!自主性と指示待ちは両立できねっつーの!!


 だが、そんなことは瑣末さまつなこと。先日ヤツは大罪を犯したんだ!なんとオレのひと口プリン(¥500)を食べやがったんだ!それも1回じゃない!!2回も!3回もだ!!


 会社にはみんなが使える共有の冷蔵庫があるんだ。そこに名前も書いて保存してたのに、ヤツは勝手に食べやがったんだ!

 問い詰めても、しらばっくれたからあの手この手で犯行現場を抑えると今度は開き直ってこう言ったんだ。


「男のくせに!器が小さい!」


とか、抜かしやがった。

……ひどいだろう?名探偵コ〇ンだったら殺害の動機になってもおかしくない内容だと思わないか?そしてこの瞬間、オレはプリンたちのかたきをとると決めたんだ……。


しかし、どう復讐しようか考えた。

なにかいい方法はないものか…!?考えがまとまらずスーパーで買い物をしていた。


(プリン=黄色=からし……コレだ!)


自分の中で悪魔的発想が思い浮かんだ…!


急いで帰宅し、プリンの写真を撮る。

形状を忘れないようにするため。

そしてプリンを取り出す。空の容器を洗うため。そこへ……オレは辛子、ワサビ、ピリカラ唐辛子、柚子胡椒ゆずごしょう……他にもたくさんの激辛調味料ををよ〜く混ぜ合わせる。ぜんぶ合わせてもスプーンひと口分と小さい。ホントは大量に詰めたいが、ニオイでバレる可能性がある。スプーン1杯が適量だろう。


(……くくく、完成だ)


完成したものを容器の真ん中に入れる。次に周りを辛子でコーティングしていく。そしてその上をさっき取り出したプリンの茶色いカラメル部分で覆っていく…。

あとは写真と外見を似せるだけ。


(すばらしい……!)


 しかし、こんなものを食べたら水が欲しくなるだろう?だからチリペッパーウォーターを薄めたものを横に置いておくわけさ。チリペッパーウォーターとはアメリカのハワイで使われる激辛調味料だ。だが、オレは優しいからな。原液ではなく、何十倍にも薄めておいてやる。

殺しはしない。少し苦しめてやるだけだ。


(明日が楽しみだぜ……!!)


会社に行くことがワクワクするのは、今回がはじめてだ。やりげた気分のオレは早めに床についた……。


 次の日、オレは会社の冷蔵庫に悶絶プリンと激辛ウォーターを置いた。ヤツはおそらく昼飯のあとに食べるはず……。


数分後……


オレの予想は大当たりだった。

ヤツはさも自分のものかのように悶絶プリンをとって椅子に座った。


そして……


「……んむ!?ぎょへああああ!!」


それは、悲鳴というより獣の咆哮ほうこうのようだった。ヤツはあわててペットボトルの水を飲んだ。


(くくく、水で辛さをしのごうとしたのだろう?だが、その発想がまるでダメ…!)


「……ぇむ!?ΔΝΜΕΘΠΨΣΚΘΖΤ〜!」


もはや、なに語をしゃべっているのかわからないほどだった。


ほどなくして…

女上司は、体調不良で早退した。

さらに上の上司に詰められていた。

体調管理も仕事のうちだってね。


オレは心の中で叫んだ……。

ザマァー見やがれってんだ(🖕・֊・︎🖕)!!

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