魔導書がタブレット??

白紗(Hakusha)

第1話 異世界の記憶が流れ込んで来た ※プロット1

★魔導書が高価になってしまった異世界で研究者が健闘?する物語だ★


主人公。「ったく、研究所ギルドの奴ら。また俺を下に見やがって!!」


主人公が地面に叩きつけようとした魔導書はたった4ページのペラペラ魔導書(魔導書と呼部には情けない)。


「こんな入門書の<ファイアー>なんてただ同然じゃないか!」


ぺたっ。

文句が言い終わるのを待っていましたとばかりに魔導書が地面に着地した。


「まるで魔導書まで俺のことを嘲笑うかのようだ。」


主人公は拗ねて下を見ながら胡座をかいた。


キラッ


魔導書が光ったように見えた。(実際は奥の蝋燭の火が魔導書の表紙に反射しただけだった。)


すると主人公の頭の中にイメージが大量に流れ込んできた。

・巨大なビル群(朝日が眩しい)

・必死に料理を作る居酒屋(ホールから文句を言われているみたいで慌てて皿を割っている。)

・観光地の花畑(子犬がおしっこしている、飼い主は周りのことなど気にも留めていない)

・冬の風物詩、イルミネーションがキラキラと輝いている。(幸せそうにカップルがキスをしている。バチンッ、イチャイチャムードの横で盛大に喧嘩をしてビンタを喰らって帰られて行く。キスしていたカップルも気まずくなり逃げるように場所を移動して行った。)

・朝の通勤ラッシュ(割り込みしようとしたおじさんが盛大に転けている。)

・小説や漫画(そしてそれをスマホやタブレットで見る人々。)


残念ながら話し声などは聞こえずメロディが流れるだけだった。


「なっ…なんだ、あの光景は……。」


主人公は余りの衝撃に言葉を失った。

すると主人公の体調に異変が。


「うっ!」

大量の情報量により知識酔いした。

頭痛と眩暈で冷たいレンガの床に倒れ込み、気持ち悪さで吐いてしまいそのまま意識を失ってしまった。


◇◆

次の日の朝。

「主人公、汚ねぇな。さっさと起きろ、時間だ」

研究所ギルドの副所長に蹴り飛ばされて目が覚めた。


*副所長:不祥事がバレて降格させられて怒りの捌け口に主人公を使っている

もちろん降格の原因も主人公だ。

グレーと赤髪、髭。アシンメトリーの短髪に無精髭。イケおじ。


昨日の光景が脳裏にしっかり焼き付いているのを確認し、きつい匂いで目が冴えた。

幸い、昨日の昼から何も食べておらず吐いたものは胃液だけだったのだ。


胃液を急いで拭き、起き上がった。

「副所長、すぐ行きます。」


主人公は走って研究所ギルドに走って行った。

研究所ギルドにつくと周りから声が聞こえた。

「またあいつ遅刻だよ。」

「次はなんの罰を受けるんだか。」


いつものことだ、主人公は無視をし所長の横に行き「ごめんなさい」

*所長:笑顔の仮面を被った鬼、研究所ギルドを脅して所長の座に登り詰めたと噂されている。

ピンクの姫カット。顔の整って高身長。彼を目当てに研究所ギルドに入る人が殺到するほどの美青年。


「主人公、一先ず顔をあげなさい。」

主人公は恐る恐る顔を上げた。

所長はにっこりと笑いながら行った。

「後で所長室へおいで」


後から追いついた副所長は息を切らせながらガッツポーズをした。


喜びを隠せなかったみたいだ。


「はい。」


主人公はしょぼくれながら最後尾に並んだ。

他愛のない朝礼は所長の一言「皆んな、今日も1日頑張って行こう。」

と今日は息を切らした副所長の長い激励と主人公の嫌味(名前は伏せているけど皆分かっている)を長々と続けるのだ。


いつもは嫌な朝だけど今日は昨日の光景のことを考えることで頭が一杯だ。

そして阿保ヅラで朝礼を過ごし切った。

所長はその顔を見て終始ニヤニヤが止まらなかった。


そして、

所長ファンクラブにはその日の事を語り継がれることとなる。

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