守破「理」を会得した話
雨宮 徹
守破「理」を会得した話
茶道や武道などの考えに「守破離」というものがあります。分かりやすく言えば下記の通りです。
守……師匠の教えに従う。小説で言うならテンプレに忠実に書く。
破……教えやテンプレにオリジナリティを加える。
離……自分独自の新しいものを確立する。
初心者がテンプレ、つまり「守」を参考すべきなのは、一部の天才を除き、いきなりオリジナリティを出すのが難しいからです。極論、あいうえおを知らずに小説を書こうとする行為に近いです。
では、「破」の境地に至るにはどうすればいいか。それは、「自己分析した創作論を書くこと」です。公開する必要はありませんが、テンプレがなぜウケるのかを分析し、突き詰めるのが大切です。ここでいう「創作論」とは、「概要欄の書き方」「おすすめの公開時間」といった類ではありません。それは、あくまでもテクニックです。私は、一年ほど創作論およびテクニックを書いてきましたが、それは「破」の段階でした。
では、どうすれば「離」を得られるか。それは、「テンプレに四則演算」することです。つまり、テンプレを軸に足す、引く、掛ける、割る。テンプレが読まれるのは、読者の脳への負担が少ないからです。成り上がりがウケるのは、ゴールが見えている・予想できるからです。ラブコメも、ハーレムか、もしくは最後に結ばれるか。コメディというからには、バッドエンドはありえません。これらをあえて壊す。それができれば、「離」の状態です。決して、ラブコメでバッドエンドを書けと言っているわけではありません。ゴールが分かりやすいので、例にあげました。また、最初に書いた四則演算理論は「破」です。商業作家がすでに言及していると思うからです。
さて、ここからが問題です。タイトルは「守破『理』を会得した話」となっています。「理」とは何か。これは、「
どうすれば「離(理)」になれるかは説明できません。なぜなら、自ら殻を破る必要があるからです。「離(理)」になるには、売れる、ウケるを捨て去る必要があります。つまり、「離(理)」を目指すか、ウケを取るか。この中間があればいいのですが、ないというのが持論です。「離(理)」になっても、「守」や「破」の状態をあえて維持するのもありだと思います(戦略的「守」「破」の維持)。まずは、「離(理)」を目指してはいかがでしょうか。
守破「理」を会得した話 雨宮 徹 @AmemiyaTooru1993
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます