特典付きで転生したら何故か蝙蝠?!

すの

設定諸々

本編

第1話 お約束?

 そこは真っ白な何もない空間だった。そこにごく普通の女子高生の私、天川あまかわ芹香せりかは立っていた。


 ここは何処?昨日はいつも通り布団に入って寝た筈なのに、訳がわかんないよ


 混乱している芹香の前に、まるで元からそこに居たかのように、すっと壮年の男性が現れた。

 そして口を開く


「さて、お主は死んだ。よって別の世界に転生させる。よいかの?」


 それに対し芹香は半ば反射的に問いただす。


「ちょっと待って、意味がわからない。私が死んだ?転生?っていうか、貴方は誰なの?勝手な事言わないで!」

「落ち着きなさい、時間はたっぷりある。一つずつ答えよう。まずそうじゃの、わしはお主らが言うところの神じゃ。他に質問はあるかの?」


 それを聞き、芹香は漸く落ち着きを取り戻す


 神?でも確かにそれならこの状況の説明もつくかも?でも、私が死んだ?全く覚えがないんだけど…


 芹香は思考を挟んでもう一度口を開く


「貴方が神様なのは状況的にもまぁ納得するしかないけれど、私は死んだの?全く心当たりはないけれど、何故死んだのか教えて?」

「お主は間違いなく死んでおる、何故死んだのかは済まぬが教えられぬ…そういうルールなのじゃ…」

「そう…」


 一旦落ち着いて、ひとつずつ聞いていこう。

 時間はたっぷりあるらしいし…


「転生っていうのは皆するものなんですか?」

「死んだら、皆転生する。しかし、普通は同じ世界での転生であり、お主の様な者は極稀になるの。」

「私は別の世界に生まれ変わってこの記憶はあるんですか?何かしろとかいう命令はあります?」

「記憶はそのままじゃ。魂が世界を超える際まっさらな状態では負荷に耐え切れないんじゃ。よって記憶は残る。

 命令に関しては特に無いの。こちらの事情で異世界に送るが、送ったあとはノータッチじゃ」


 成程ね。魂を送ること自体に意味があるからその後は好きにしろと。


 そういえば、もしかしてお約束通り特典とかあったりするかも?


 芹香は普通の女子高生だ。そう、アニメや漫画、ノベルなど創作物に少しばかり詳しいの普通の女子高生である


「それで神様、わたしが転生する世界ってどんな世界なんですか?」

「お主らの世界で言うところの剣と魔法の世界じゃな。」


 キタキタキターこれは特典期待できそう!


「それで転生に際してこちら側のお願いって聞いて貰えたりします?」

「あぁ、自然に起きる可能性がある範囲での要望を一つ限りで叶えておるぞ」


 その言葉を聞いた芹香のテンションは最高潮に達した。


 一つ限りで特典!どうしよう、貴族に生まれる?アイテムボックス?魔法の才能?どれにしようか……でも、やっぱり…


「鑑定スキルが欲しいです!」


鑑定スキル!チートの代名詞!これしかない!


「鑑定スキルとな…そうか了解した。ではそうしよう。ではこれで転生に際して必要な事は終わった。さそっく転生させるが大丈夫かの?」

「はい、大丈夫です。お願いします!」


 そう芹香が答えた数瞬後芹香の意識は闇に落ちて行くのだった。





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