魔法少女は異世界を救済(蹂躙)する
EDA
プロローグ
最後の戦い
2025.12/26
・初日は5話分を公開し、以降は第1部の完結まで毎日更新いたします。
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魔法少女ステラは、その日も世界の平和と秩序を守るために戦っていた。
敵は、人間の悪意が凝り固まって具現化した『
しかし今回出現した『
「こうなったら、もうアレを使うしかないね!」
魔法のホウキに横座りになったステラは、星空をひゅんひゅんと駆け巡りながらそのように言い放った。
ツインテールにした髪も、明るく輝く大きな瞳も、魔法少女の正装たるフリフリのコスチュームも、すべてがスカイブルーにきらめいている。そして、どれだけ強大な敵を前にしても、その純真なる眼差しには不屈の闘志がみなぎっていた。
しかし、その肩にちょこんと乗った相棒のジェジェは、「えー?」と不平がましい声をあげる。こちらは星空を詰め込んだようにきらきらと半透明に輝く、ウサギのぬいぐるみのごとき外見である。
「アレを使ってしまうのかい? ボクはあんまり、推奨できないな」
「だって! どんな魔法も、あいつに呑み込まれちゃうじゃん! もう出し惜しみはしていられないよ!」
そんな言葉を交わす二人の足もとで、『
今回の『
ステラとの不毛な鬼ごっこに見切りをつけたのか、『
すると、拳と大地の接地面に漆黒の輝きが爆発し――『
「ほらほら! あいつを放っておいたら、地球が穴ぼこだらけにされちゃうよ!」
「うーん。あの攻撃から察するに、あいつは次元に干渉できる『
「そんなこと、できるわけないじゃん! てゆーか、そもそもあいつは『
「え?」と小首を傾げながら、ジェジェは青いビーズのような目を明滅させた。
「本当だ……あの『
「ありえないって言っても、それが事実だもん! あいつを倒すには、アレを使うしかないってことだね!」
あくまで熱情的なステラに、ジェジェはしかたなさそうに肩をすくめた。
「まあ、ボクはあくまでキミのサポート役だからね。最終的な判断は、キミにおまかせするよ」
「うん! ステラにおまかせあれ!」
ステラはとびっきりの笑みを浮かべつつ、魔法のステッキを振り上げた。
「ラグナロク・スピリトーゾ!」
ステラの呪文詠唱とともに、どこからともなく壮大なるオーケストラの演奏が響きわたる。
それと同時に、七色に光り輝く音符が世界にあふれかえった。
輝ける音符は竜巻のように渦を巻き、漆黒の巨人に襲いかかる。
すると、漆黒の巨人は手の平から漆黒の球体を生み出して、それを迎え撃った。
凄まじい質量を持つ光と闇が、虚空で激突する。
すると、光と闇はもつれあいながら世界に四散して――それらのすべてが消失すると、魔法少女と巨人の姿も忽然と消え失せていたのだった。
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