転生しても苦しいままなのは変わらない
紙ノ天気
第一話 こんなにも不幸だなんて!
23時46分に過労死と断定された。
辺りは薄暗くここがあの世かと私は確信した。
向かう側からホタルのようなものが近づいてきた。
「わぁ…綺麗」
「こんばんわ」
「喋った⁉︎」
私は驚き尻餅をついてしまった。
「私はガイア。ご存知の通りだと思うけど貴方は死んでしまったわ」
確信はしていたが直球に言われると少しへこむ。
「可哀想に…寿命も全うできずに過労死してしまうなんて」
本当にその通りだと思いますはい。
私だって過労死したくてしたわけではない。
ただ33連勤しただけで…あのクソ会社最後にぶっ潰したかったな。
「貴方の悲痛な叫びは聞こえています。そんな貴方に提案があります」
「提案とな?」
少し気になりオウム返しをしてしまった。
「それは別の世界でもう一度人生をやり直す事です」
異世界転生というものだろうか、学生時代は憧れていたものだ。魔法やモンスター…ファンタジーなどとうに忘れていたものだったが。
私は二つ返事で承諾した。
「それでは転生する前に、何かお願いはありますか?叶える範囲で叶えてあげましょう」
転生ボーナスか…それだったら答えは決まっていた。
「もう少しゆっくり生きたいなぁ」
「わかりました。それでは行ってらっしゃい」
眩い光に包まれ新しい世界の幕開けだった筈なんだけど…
「おいちゃんと掃除したか!?」
「モラ!いい加減にしなさい!」
「ひっ!ごめんなさい…」
神の嘘つきめ!何が願いを叶えるだ!全てが地獄じゃないか。
私はゆっくり生きたいだけなのに…働いて死んで死んだ後も働いて…何も楽しくない。
「ちっ!邪魔だ!部屋に戻っとけ」
モラ「かはっ!」
父と思われる人にお腹を蹴られる。
まだ7歳のお腹を蹴るか普通⁉︎
私はお腹をさすりながら自分の部屋に戻っていった。
部屋に戻った後は私だけの時間。魔法の出し方を練習していた。
どうやら私は魔法は使えるようだ。それでもライターぐらいの火とかしか使えないけど。
その中でも一番助かるのは治癒魔法だった。
擦り傷やさっき蹴られた痛みもすぐに癒ていった。
「ふぅ…少しずつだけど上達してる」
この家の唯一の良いところだ、部屋には滅多な事がない限り親が入ってこないから練習がどんどん出来る。
でも今日は疲れた…次の日になってほしくないけど寝ないとまた過労死してしまう。
二度も同じ死を迎えてたまるか。
硬いベッドに潜り込み少ししたうちに目を閉じて眠っていった。
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