幼馴染に「クリスマスに一緒にでかけよう」と誘われた
時崎ゆい
幼馴染に「クリスマスに一緒にでかけよう」と誘われた
12月20日
仕事が終わりスマホを見た僕、柊陽翔は幼馴染の佐藤深雪から連絡がきていることに気づいた。
(どうしたんだろ…?)
連絡を見てみると25日のクリスマスに一緒に出かけようとのことだった。
深雪とは家が隣で親同士も仲が良くよく一緒に出かけていた。
でも僕が就職してからは僕が一人暮らしくを始めたのもあってあまり会うこともなくなってしまった。
(久しぶりに会うのもいいな)
「仕事が終わってからなら行けるよっと。」
(そういえば深雪に彼氏とかはいないのかな?)
そう思いながら歩きだすとスマホが鳴った。
見ると深雪からで
『いいよ。何時頃に終わる?』
「えっと17時頃に終わるからそっちに迎えに行くよっと」
そう連絡するとすぐに『わかった!!』と送られて来た。
「ふふ、相変わらず返事が早いなぁ」
僕は25日にどこに行こうか考えながら家に帰った。
12月25日
仕事が終わった僕は深雪に今から行くと連絡した。
(今日は二人でご飯を食べた後はイルミネーションを見に行く予定か)
二人でイルミネーションは見に行ってことはあるけどご飯を食べに行くの初めてだ。
前にイルミネーションを見に行った時は深雪が中学生だったこともあり、あまり遅い時間までいられなかった。
今の深雪もまだ未成年だから遅い時間まではいられないけど。
電車に20分ほど乗りそこから5分ほど歩いて僕は深雪の家に着いた。
深雪の家に来るのは久しぶりなので少し緊張しながら僕は呼び鈴を押した。
押して少し待つと家の中から声が聞こえてドアが開いた。
「久しぶり、陽翔くん。」
「久しぶり深雪っていってもここ最近よく連絡をとってたからあんまだね。」
「そう?私は久しぶりってかんじするけど。」
深雪はそう言って僕の手を握ってきた。
「とりあえず行こ、陽翔くん。」
「そうだね、でもそんな引っ張らなくてもいいよ。」
深雪は早く行きたいのかグイグイ引っ張ってくる。
僕はそんな深雪に引っ張られながら歩きだした。
そこから僕達は電車に20分ほど揺られ、イルミネーションのある場所の近くの駅で降りた。
今日は先にご飯を食べに行く予定なので駅から歩いて5分程のところにある
小洒落たレストランに僕達は来た。
「こんなおしゃれなレストラン初めて来た…。」
「僕も初めてだよ。先輩がおすすめしてくれたんだ。」
深雪は少し緊張しているのかソワソワしている。
高校生にはちょっと早かったかな?
「深雪はなに食べる?いろいろあるよ、シチューとか。」
「陽翔くんはどれにするの?」
「そ~だなぁ⋯僕はビーフシチューにとサラダかな」
「それじゃ私も同じのにする。」
「そう?じゃぁ注文するね。」
僕は店員さんを呼んで注文をした。
「深雪は高校とかどうなの?」
「べつに普通だよ。毎日楽しいし。陽翔くんはどうなの?」
「最近は年末が近いこともあって結構忙しいかな。」
そう言うと深雪は少し申し訳なさそうな顔をして
「もしかして今日も忙しかった?」
そう聞いてきた。
「全然、今日はあんまりだったよ。ほぼ終わらせてあったしね。」
「でもゆっくり休みたかったんじゃ⋯」
「そんなに心配しなくていいよ。僕が深雪に会いたかったんだ。」
「それって…」
「おまたせしました。」
深雪が何か言おうとした時タイミングよく店員さんが料理を持って来てくれた。
それから僕達はご飯を食べながら他愛もない話をした。
「すごく美味しかった。」
「そうだね、また先輩にお礼しとこ。」
食事を終えた僕達はお店を出てショッピングモールのほうに歩いていた。
深雪へのクリスマスプレゼントを事前に買おうと思っていたけど
深雪がショッピングモールに行きたいと言ってきたのでそこで深雪に選んで
もらうことにした。
5分程歩いて僕達はショッピングモールに着いた。
「深雪はどんなのが欲しいか決めてるの?」
「うん、私マフラーが欲しくて。」
深雪はそう言いながら首に着けてるネックウォーマーを見せてきた。
「深雪はずっとそれを使ってるよね。」
「うん、だからそろそろ替えようかなって」
僕達は服屋さんに入ってマフラーの売り場にきた。
「陽翔くんはどの色がいいと思う。」
深雪はマフラーを見ながらそんなことを聞いてきた。
確かにいろんな色のマフラーがあって悩むのもわかる。
「そうだなぁ⋯深雪は落ち着いた色の服を着てることが多いから紺色とか?」
「じゃぁ紺色にする。」
深雪は紺色のマフラーを持ってレジに歩きだした。
「僕が言った色でよかったの?」
「うん、これがいい」
深雪がいいと言ったので僕はそれ以上は何も言わず深雪にマフラーを買った。
それから20時までまだ時間があったので僕達はショッピングモール内を歩き回った。
20時、僕達はイルミネーションのある場所に来た。
イルミネーションの周りには沢山の人がいる。
「結構人多いね。」
「ねぇ陽翔くん。」
「どうかした?」
「私ね今日頑張っておしゃれしたんだ。」
「深雪?」
深雪はそう言いながら僕の手を握ってきた。
「陽翔くんを誘うのも頑張ったんだ。どう送ったらいいかわからなくて
凄く悩んだ。」
「深雪それ以上は⋯」
「陽翔くん。」
深雪が何を言おうとしているのかわかった僕は深雪の言葉を遮ろうとした。
けど深雪は僕の名前を読んで僕の顔を見てきた。
「私は陽翔くんのことが好き。」
とうとう深雪は僕の思ってたこと言ってきた。
「ずっと好きだった、小さい頃からずっと。でもいつこの思いを言えばいいかわからなかった。幼馴染でずっと近くにいたから。だから私は陽翔くんを誘ったの。今日この思いを伝えるために。」
深雪はそう言って僕のことをジッと見てくる。
でも僕の答えは決まってる。
「ごめん深雪。僕は恋愛には興味ないんだ。」
そう言って僕は俯いた。深雪の悲しむ顔が想像できたから。
だけど⋯
「陽翔くんはそう言うと思ってた。」
「⋯え?」
流石に僕は驚いた深雪の顔を見ると悲しむどころか何故か笑ってる。
「何年一緒にいると思ってるの。陽翔くんが恋愛に興味ないことくらいしってるけど?」
「じゃぁなんで好きなんて⋯」
「これはね私の宣言なの。」
「宣言?」
「そう。私は絶対陽翔くんに私のことを好きだって言わせてみせる。」
「ええ⋯」
僕が困った顔をすると深雪はいたずらっぽく笑ってきた。
「だから覚悟してね。これからいっぱいアピールするから!」
そう言って深雪は僕のうでに抱きついてきた。
僕はこれから深雪のアピールに耐えられるのかな
それから3年で僕達は結婚することになる。
僕にしては頑張って耐えたんだけどなぁ。
僕は深雪に勝てないらしい。
幼馴染に「クリスマスに一緒にでかけよう」と誘われた 時崎ゆい @teihennoisi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます