エピローグ もう一度
カバンが乗る前よりも軽いです。
休憩したからでしょうか。
町の風景がはっきりと見えてきます。
田んぼに住宅地にフジグラン。
ありふれた光景なのに嫌に美しく感じるのはなぜでしょう。
太陽は西に動いて、風も落ち着き、すべてが気持ちよくなりました。
なんだか自分が別の人に生まれ変わってしまったような不思議な気分です。
皐月は大きく息を吸って息を止めました。
何秒も何秒も止めて、限界が来たとき皐月は息をはきました。
はいた息がほのかに白くなり、消えていきます。
皐月はもう一度言いました。
今度は清々しい晴れ晴れとした笑顔で。
静かに。
その言葉を地面に落とすように。
澄みきった水色の快晴の空を見上げながら。
皐月はもう一度言いました。
「バイバイ。」
皐月と優の帰り道 雷花一 @liho122153
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