残り物には福がある?。
猫の尻尾
第1話:なにもできないメイドロイド。
一応ジャンルはSFですけど、どっちかって言うとラブコメですかね。
人間じゃないメイドってキャラは僕にとっては定番のキャラになってしま
ってます、でもなかなか満足したキャラが生まれませんね〜。
さて俺の親父はメイドカフェなんかを営んでる。
で、メイドさんは人間じゃなく、みんなアンドロイドってヒューマノイドたち。
そしてメイドさん専用のアンドロイドはメイドロイドって呼ばれている。
だから最初っからメイド衣装を着ている。
でもってカフェで経年劣化した古いメイドロイドは新型のメイドロイドと入れ替
えられることになったらしい。
古くなったメイドロイドは言語機能が低下したり、暴力的になったり、言うこと
を聞かなくなったりするんだそうだ。
メイドロイドの定員は10人・・・だけど送られて来たメイドロイドは11人だった
みたいで一人余ることになるから親父は製造会社に、その一体を送り返そうかと
思ったらしい。
でも俺んちは親父と二人暮らし・・・親父は男所帯は何かと不便って思ったのか、
その残ったメイドロイドを俺が高校に行ってる間に勝手に連れて帰って来て
しまった。
で、当然俺はなにも知らずにメイドロイドとご対面。
俺が高校から帰って来ると、リビングのソファにメイドさんが一人、ちょこんと
座って俺を見ていた。
「誰?・・・え?・・・メイド?」
「はじめまして・・・私、残り物のメイドロイド「
そう言って彼女はカフェで使うはずだっただろう自分の名刺を俺に見せた。
「ルネ?・・・それが君の名前?・・・で?なんでメイドがいるのかな?」
「あの・・・今日からお世話になります、おぼっちゃま」
「え〜聞いてないけど・・・」
「あ、でもどうも〜・・・とりあえず俺「
よろしく」
俺はその辺にあったメモに俺の名前を漢字で書いてやった。
「で?・・・残り物って?・・・なに?」
「はい、そのあたりはお父様にお聞きになっていただければ・・・」
「おぼっちゃまのLINEにお父様からメッセージ届いてません?」
「あ〜・・・ちょっと待って」
確かに親父からメッセージが届いてて、こう書いてあった。
《裕太、メイドカフェのメイドロイドが一人、余ったから送り返すもの面倒だった
んで、うちのハウスメイドにすることにした・・・だからその子は、もううちの
家族だからな・・・・その子が俺の店に来た時はまだ名前がなかったから、適当に
つけといた・・・その子の名前は「夢見 ルネ」だ・・・中学時代の俺の初恋の人の名前にした・・・そうことなんで、あとはよろしく〜》
「なんの相談もしないで?勝手な・・・」
「初恋の女の名前なんかつけるなよ、未練たらしい・・・」
「って、ことらしいね、ルネちゃん」
「そのようです、おぼっちゃま」
「まあ、いんじゃね・・・まず飯を作らなくて済むしな・・・これは助かるよな」
「ルネちゃんってアンドロイドだろ?・・・今は風俗嬢もメイドもみんなそうだ
よな?」
俺の時代は風俗って呼ばれる商売は人間の女は誰もいなかった。
「厳密にはガイノイドって言うらしいですけど・・・」
「それにしてもこんな間近でメイドロイド見たけど・・・もう人間だよね」
「はい、皮膚は人工細胞で人間の細胞より優秀です・・・おぼっちゃま」
「あのさ・・・ひとついいかな?」
「なんでしょう?おぼっちゃま」
「それそれ・・・・その、おぼっちゃまっての、止めない?」
「ダメなんですか?」
「ダメだよね〜・・・俺は、おぼっちゃまって柄じゃないし・・・」
「そうですか、じゃ〜なんとお呼びすればいいですか?」
「ん〜裕太でいんじゃね・・・裕太で」
「そんなのダメです、呼び捨てなんかできません・・・そんなことしたら私、
パニクっちゃってオーバーヒートしちゃいます」
「パニクるって?・・・大袈裟だよ・・・じゃ〜裕太さんでいいよ?」
「はい、では裕太様・・・これでいかがでしょう?」
「まあ・・・いいけど・・・」
「それよりさ、とりあえず・・・俺、腹減ったんだよね、何か作ってよ」
「え?晩ご飯ですか・・・申し訳ありません私、私何も作れません」
「うそぉ・・・メイドだろ?」
「でも私、お料理できないですから・・・レシピ、インプットされてません」
メイドロイドのルネが来てくれたおかげで俺はこれから自炊しなくて済むと
思って喜んだのに・・・ ルナはメイドロイドのくせに何もできなかったんだな、
これが・・・な〜んにも。
普通さ・・・メイドロイドってメイドカフェに従事するって決まった時点で、
そのへんのノウハウプログラムされてるんじゃないのかよ。
何かな?・・・ルネだけプログラムされずに出荷されたってか?
それって手抜きじゃん。
そんな訳で、とにかく家事全般、俺がルネに教えなきゃならなくなった。
親父はアテにならないし、ならルネの面倒は、おまえが見ろって押し付けられ
るし・・・放っておいたら何しでかすか分かったもんじゃないしな・・・。
このさい料理学校にでも通わせたほうがいいんじゃないか?
役に立たないなら、メイドなんていらないんだけど・・・ってのは可哀想で
言えないしな。
まあ、いるだけで癒し効果はあるけどな・・・それは大きいぞ。
つづく。
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