商店街ののんびりした体温と、そこにじわっと混ざる“何かがおかしい”感触の配合が、とても上手い作品だと思いました。
人成の気の抜けた語り口が親しみやすいぶん、現実がほんの少しずつズレていく怖さが余計に効いてきます。カエル男や鐘の不穏さも強いのに、ジョージやいろはの存在が物語をちゃんと人間の暮らしに引き戻してくれるのがいいですね。大事件なのに、向き合い方が妙に生活者目線なのも面白いです。
派手な謎解きというより、日常の隙間から異界がのぞく感じが好きな方は、きっと引き込まれると思いますので、ぜひ気になる方は読んでみてください。
主人公の天野人成は骨董店を営んでいる。
幼馴染の音瀬いろはや親友の上島昭二と彼は楽しい日常を送っています。
しかし、ある日、カエルの被り物をした人物が骨董店にやってきてからだんだんおかしなことになっていきます。
そのカエル男の謎めいた行動の数々。
そして年末に鳴り響く鐘の音。
いつのまにか、ループしていることに気づく主人公。
ループを利用して金を稼ごうとスクラッチをやったりしますが、はたして天野はこのままループし続けて大丈夫なのか?
多くの謎がある作品で、なかなか先の展開を読めなくて面白いです。
私はループ系の作品はたくさん読んでいますが、本作はループ系としてよくできていると思います。おすすめです!