７月７日娘　SST

７月７日娘　SST　第１話　ステラ

　世界の名前は、スターシア。

キラーン！

　ある日、夜空から赤ちゃんが光り輝きながら流星のように、地上に堕ちていきます。

　

　地上。

　七夕の日の夜。空にはきれいな天の川が架かっていた。

「おじいさん。子供が欲しかったですね。いれば老後も楽しかったでしょうに。」

　弱弱しいお婆さんのベガ。

「仕方がないよ。結婚したのも遅かったし、お金もないしね。」

　禿げたお爺さんのアルタイル。

「あっ！　流れ星！」

　流れ星に願い事をすると叶うと信じられている。

「どうか空から子供が降ってきますように。」

　ベガとアルタイルは星に願いました。

ピカーン！

　二人の元に空から光が舞い降ります。

「ま、眩しい！？　これは！？」

「赤ん坊！？」　

　二人は空から降ってきた赤ん坊を受け止めます。

「ｚｚｚ。」

　赤ん坊は何も知らないで笑って眠っています。

「お爺さん！？　神様が私たちの願いを聞いてくれましたよ！？」

「ありがとう！　神様！　この子を大切に育てます！」

　二人は念願の子供を手に入れた。

「・・・・・・ふあ～あ。」

　赤ん坊が目を覚ました。

「この子の名前はどうしましょう？」

「そうだね。流れ星の様に私たちの元に来てくれたから・・・・・・ステラ、ステラでどうだい？」

「まあ！　素敵な名前ですね！　良かったでちゅね！　ステラちゃん！」

「バブ！」

「おお！　気にいったか！　私たちのステラ！」　

　老夫婦に訪れた幸せであった。

「バブバブ！」

　この無垢な赤ん坊が、将来、スターシアを統一する女王ステラ・ソラリスになることを、まだ誰も知らない。

　つづく。

７月７日娘　SST　設定資料集

テーマは「アーニャの後釜を狙う！」

世界の名前は、スターシア。

登場人物

ステラ。

・空から堕ちてきた赤ん坊。

織姫＝ベガ　Vega。

・こと座にある恒星で、「こと座α星」。夏の大三角を形づくる星のひとつです。

・太陽を除いた恒星の中で、全天で5番目くらいに明るい青白い星で、等級は約 0.03 等級です。

・日本ではこのベガを「織姫星（織姫）」と呼び、機織りの娘の星として七夕の主人公の一人になっています。

彦星＝アルタイル　Altair。

・わし座にある恒星で、「わし座α星」。こちらも夏の大三角の一角です。

・明るさは約0.76等級の白い星で、地球からの距離は約16.7光年と、かなり近い恒星のひとつです。

・日本ではアルタイルを「彦星」「牽牛星」と呼び、牛使い（牛飼い）の青年として語られます。

デネブ　Deneb。

・織姫星ベガ・彦星アルタイル・はくちょう座デネブの3つで作られる大きな三角形が「夏の大三角」。夏の夜空でとても目立つ目印です。

・はくちょう座で一番明るい星。デネブは はくちょう座α星（アルファ星）。夜空でとても目立つ白い星。地球からの距離はかなり遠く、約2600光年以上とも言われる超遠方の恒星。

・「デネブ（Deneb）」はアラビア語の 「尾（しっぽ）」 が語源。はくちょう座の「しっぽの位置」にある星だからこの名前がついた。

・七夕の主役は「織姫＝ベガ」「彦星＝アルタイル」だけど、デネブはその2人の間に流れる天の川の上を飛ぶ“白鳥”の星として、物語を美しく彩っている存在。

・カササギの橋: 7月7日の夜、天の川に阻まれた織姫と彦星を会わせるために、どこからともなく**カササギ（鳥）**の群れがやってきて、翼を広げて橋を作ってくれるという伝説があります。

・デネブの正体: このカササギの橋、あるいはカササギそのものが、天文学的には**「デネブ」**にあたると解釈されることが多いです。デネブは天の川の中に位置しているため、まさに二人を繋ぐ場所にいる星なのです。

・天の川　Milky Way（ミルキー・ウェイ）。

・7月7日：July 7th（ジュライ・セブンス）

・七夕　The Star Festival（ザ・スター・フェスティバル）

豆知識：なぜ「Milky（ミルク）」なの？ 西洋神話（ギリシャ神話）では、女神ヘラが赤ちゃんのヘラクレスに授乳していた際、こぼれた母乳が空に広がって川になったという伝説があるため、英語やフランス語では「ミルクの道」と呼ばれます。

1. ゼウスが白鳥に姿を変えた説（ギリシャ神話）

ゼウスが人間の女性レダに会うために、白鳥に変身した

その姿が夜空に残ったのが「はくちょう座」

デネブはその白鳥のしっぽの星

2. オルフェウスの魂が白鳥になった説

竪琴の名手オルフェウスは死後、天に上げられた

彼の竪琴は「こと座」になり、

彼自身は白鳥の姿となって「はくちょう座」になった

そのしっぽの星がデネブ

この説だと、ベガ（こと座）とデネブ（はくちょう座）が近くにあるのも納得できる。

3. 天の川を渡る白鳥の伝説（東アジア）

天の川を渡る白鳥が、織姫と彦星の橋渡しをする

その白鳥のしっぽがデネブ

七夕の物語と結びつけて語られることもある