小杉なんぎんの短編小説【美恵子と恵美子】

小杉なんぎん

第1話

俺は二人の女と、二股をかけて付き合っている。一人は美恵子、もう一人は恵美子。名前が似ているので、しょっちゅう呼び名を間違え、二人に注意されている。そこで俺は考えた。美恵子と会っている時は常にみそ汁を思い浮かべ、みそ汁の、みは、美恵子の、み、恵美子と会っている時は常にエノキタケを思い浮かべ、エノキタケの、エは、恵美子の、エ、という具合に。

みそ汁の、み、の美恵子と定食を食べていた。みそ汁を飲みながら、俺は、美恵子のことを恵美子と呼んでしまった。みそ汁を飲んだのに、どうして俺は間違えたんだ、とみそ汁を見たら、みそ汁の具がエノキタケだった。

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小杉なんぎんの短編小説【美恵子と恵美子】 小杉なんぎん @nangin-27-27

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