第5話 PC内の電子がホームだ
俺様は虫のカラダでPC内のエンターキーから
家に帰る。
俺様たち、無限ループ人は時々
メンテナンスのため家に戻る。
消滅したわけではなく。
意味合いは、そうだな。
人間的に言えば健康診断のようなものだ。
時間も空間移動も時空も姿も
全て無限の俺様達。
始まりがなければ、終わりもない。
グルグルと無限に世界中を回っている。
時にアップデートが必要だ。
その無限の中で俺様は自分の意思で
メンテナンスを受ける。
すべてが自由の中で
自分のためのアップデートだ。
ホームの入口は無数に無規則に存在する。
まさか。タケルのPCに入口が存在するとは。
気になる人間。高1のタケル。
今のこの次元のこの世界でタケルを観察したいが、無敵の無限ループ人の俺様にも
選択。選ばなければいけないことが起こった。
自由の俺様のとっては、
選ばなければいけないという行為は
嬉しいことだ。
そして俺様は選ぶ。
メンテナンスが優先される行動だ。
PCエンターキー。
無限ループ人の俺様は一時ホームへ帰還。
虫の変身していた俺様のカラダは家では
元の形のないものになる。
電子レベルの俺様は家では同じ仲間の
無限ループ人の仲間達と話す。
情報交換だ。
ただしプラスはマイナスの仲間と。
プラス同士、マイナス同士だと上手く
情報交換ができない。
さっきのタケルの世界の人間もそうだが、
自分にないものに惹かれあうようだ。
そこは期限ある生命体の人間と
俺様達、無限ループ人とも唯一の共通点だ。
だとすると俺様にないものを持つ人間、
タケルに惹かれて目をつけた。
タケルの”その何か”を知りたい。
早くメンテナンスを終了しなければ。
仲間が声をかける。
「もう家を出るのか?」
「そうか?」
「しかし、待てよ。
俺たちの家の入口のこのPCのデーター面白いぞ。
もう少し残らないか?」
つるむのは好きじゃないが。
俺様はタケルに興味があった。
仲間の誘いに乗った。
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