Unsubdued (アンソブルド)― 揺るぎなきもの
桜井みづき
Episode 0: 九人の声が夜を渡る
Voices of the Unsubdued ― 九人の声が、夜を渡る
九条班(警視庁捜査一課・第三強行班 捜査五係)
夏目莉央(なつめ りお)|静寂の翻訳者 / Translator of Silence
「沈黙の中にこそ、もっとも正確な意味がある。」
聴き取れない痛みを言葉に直し、事件の“声にならない部分”をすくい上げる捜査官。圧倒的な能力と教養を持ちながら、深い孤独と自己否定を抱えている。九条班の核であり、最大の危うさでもある。
九条和樹(くじょう かずき)|関係の輪郭 / Contours of Connection
「守るとは、触れずに測ること。」
無駄のない判断と、短い指示で現場を動かす班長。冷静さの奥に熱があり、部下を守るためなら踏み込みも辞さない。夏目への想いだけが、彼の完璧な静けさに“揺れ”を生む。
大友健一(おおとも けんいち)|平凡の温度 / The Temperature of Ordinary
「派手な善意より、湯気の立つ平穏を。」
九条班の重心を担う主任。声を荒げずに空気を整え、誰かが折れる前に支える。混乱の中で“呼吸を平らに戻す”技術を持つ、班の屋台骨。
石井直人(いしい なおと)|正しさのスプーン / The Spoon of Rightness
「正義は量れない。だが、こぼさないために量る。」
強面の大柄な体格とは裏腹に、繊細な配慮と法の知識で捜査を締める。罪を憎み、人を見捨てない更生志向の刑事。生活の段取りと温度で、現場の荒れを整える。
森下雅也(もりした まさや)|地図とサーバールーム / The Map and the Server Room
「真実は保存できない。だからこそ、記録する。」
軽やかな明るさの裏に、冷静な計算と強靭さを隠す情報の担い手。点と点を結び直し、事件の構造を可視化する。夏目とは深い絆で結ばれた友であり、踏み込まない距離が信頼を形作る。
佐々木翔太(ささき しょうた)|公平の手順 / The Procedure of Fairness
「感情を挟まないことと、心を捨てることは違う。」
正義の速度が速い、手順の人。判断も行動も正確で、現場の秩序を保つ。理想と現実の矛盾に揺れながらも、誰も置いていかないために“整える”役を引き受ける。
山崎絢斗(やまざき あやと)|光を感じ風を読む / Feeling the Light, Reading the Wind
「光は影を消さない。ただ、柔らかくする。」
小さな揺らぎを見逃さない観察眼で、現場の第一声を選ぶ末っ子。夏目への淡い恋心を抱きつつ、守りたい気持ちを自分の成長へ変えていく。九条班の“未来”を象徴する存在。
村上サクラ(むらかみ さくら)|刃の余白 / The Margin of a Blade
「正確さの隙間に、人の温度が宿る。」
言葉は硬いが、情報は鋭い。集中力と精密さで捜査の精度を引き上げる。厳しさの根には“ここにいてほしい”があり、仲間を守るための不器用さが光る。
相馬成仁(そうま なりひと)|始まりの足跡 / Footprints of Beginning
「終わりの先にも、歩く音は続く。」
穏やかな歩調で、人の心を急かさない男。九条の隣に立つ姿は静かな調和を生み、班に安堵をもたらす。喪失を抱えたまま、それでも前へ進む“静かな柱”。
Unsubdued (アンソブルド)― 揺るぎなきもの 桜井みづき @Moko0616
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