残酷な運命に抗い、『ハッピーエンド』を目指すために戦う「踏み台」の物語

物語の中で、主人公が成長や覚醒を遂げるために倒される、いわゆる「踏み台」キャラ・クロードに転生した男。その避けられない運命を受け入れるどころか自分の矜持として、周囲の人々に嫌われようとも、彼らを死なせないために孤独な戦いに身を投じる。その真の思いに気づいたヒロインが病む…という物語。

転生した主人公が破滅フラグを回避するために改心して、それが認められていく…という作品が多い中、改心してしまったことで世界そのものが破滅してしまうことになってしまった、という発想が非常に面白いと感じました。
前世のトラウマから、自分が認められるよりたとえ嫌われても世界を、大切な人を救うために、救世主となりうる人物・レイジの踏み台となる修羅の道を自分の意思で選ぶ。その上、自分が踏み台となることで救われた世界線=《在るべき世界線》ですらも、その大切な人達が死ぬ残酷な運命が待ち受けているのですが、それにすら抗って、完全な『ハッピーエンド』を目指して過酷すぎる戦いに身を投じるクロードの、ある種究極の自己犠牲には感服せざるを得ません。
真意に気づいたヒロインが病んでしまうのも宜なるかなでしょう。
病んだヒロイン好きだけでなく、報われない自己犠牲に突き進む主人公のようなキャラが好きな方にもオススメできる作品です。
(長文失礼)

追記
これは私の考察とも呼べない妄想なのですが…クロードが踏み台になると決意した後、度々見える《在るべき世界線》では、主人公が関与しない原因でヒロインが死に、それがレイジの覚醒のトリガーとなることが多いと思います。
その他にも所々に「本当にクロードが踏み台となる世界線こそ正しいのか?」と疑問が湧くような記述や描写が見られる気がしていますが…?
『ハッピーエンド』というタグからも、《在るべき世界線》を超えて誰も死なさず世界を救う道を追い求める今の状態こそ真の正解に繋がるのでは…?と考えていますが、まだ分からないところが多いので、今後の展開を楽しみに追い続けたいと思います。