私とあの子

カエデ

才能

文字を書く

いい出来だ


隣のあの子の文字を見る

才能の差を感じた


私は私の文字をみる

なんと稚拙な文なのだろう

これではただの文字の羅列だ


隣のあの子の文字をみる

そこには綺麗な文がある

強烈な魅力を放ちながら


文字を書く

前よりは良くなった


隣のあの子の文字を見る

私の文が羅列になった


私は私の文字を見る

あの子の文に憧れた


隣のあの子の文字を見る

どうすればこんな風に書けるだろう


文字を書く

あの子に近づけた


隣のあの子の文字を見る

私の文がだめになる


私は私の文字を見る

比べることすら嫌になった


文字を書く

隣のあの子の文字を見る

私は私の文字を見る

文字を書く

隣のあの子の文字を見る

私は私の文字を見る

文字を書く

隣のあの子の文字を見る

私は私の文字を見る


それでも全然差は埋まらない

近づいたと思ったら遠ざかる

どんどんどんどん離れてく


それでも私は文字を書く


隣のあの子の文字を見る

そこには何も書かれていない


性にあわないと書くのをやめた


私は私の文字を見る

なんだかとても虚しくなった


私はあの子に文字を書く

私は初めて私を書いた

何度も消して何度も書いた

あの子の文字が欲しかった


私はあの子に文字を書いた

初めて文になった気がした


隣のあの子は文をみる

隣のあの子は泣いていた


私は私の文字を見る

あの子に少し近づけた気がした


私は今日も文を書く

あの子にいつか追いつくために




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私とあの子 カエデ @kaede000108

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