【超管理】スキルを持つ俺が、捨てられていた「訳あり最強少女」たちを拾って育成したら、世界一のパーティになってた
第0話 【プロローグ】Sランクパーティを抜けてやった俺が、最強の『残念美女』たちに愛されすぎて困る件
【超管理】スキルを持つ俺が、捨てられていた「訳あり最強少女」たちを拾って育成したら、世界一のパーティになってた
米澤淳之介
第0話 【プロローグ】Sランクパーティを抜けてやった俺が、最強の『残念美女』たちに愛されすぎて困る件
「クロード様ぁ〜……あと一回! あと一回だけだから! この『10連ガチャ』で絶対にレアが出る予感がするの! 神託が降りたの!」
「駄目です、ソフィア。今月の遊興費は既に底をついています」
「ううっ、悪魔! 鬼! 管理人!」
王都の裏路地に佇むシェアハウス『陽だまり荘』のリビング。 俺の足元で、国一番の聖女が涙目でしがみついていた。 その光景を、俺はコーヒーを片手に冷静に見下ろす。
「……クロード、さん。……お茶、淹れた。……飲む?」
背後から、エプロン姿の美少女が袖を引く。 歴代最強の剣聖・リンだ。彼女は極度の対人恐怖症だが、どういうわけか俺にだけはこうして密着してくる。 ちなみに、エプロンの下にはなぜか魔剣を帯刀している。料理中に敵襲があっても安心だ。
「フッ……我が盟友であるクロードよ。この漆黒の
キッチンから顔中を煤だらけにした銀髪の幼女――魔導王(少女)・アリスが得意げに黒い塊を差し出してくる。 味はともかく、彼女が魔法を「家事」に使おうとする姿勢は評価してやるべきだろう。
――騒がしく、手のかかる、最高ランクの才能たち。 かつての俺なら、胃に穴が開いていたかもしれない。 だが、今は違う。
「ありがとう、みんな。……さて、そろそろ時間か」
俺は魔導タブレットを起動し、ニュース速報を空中に投影した。 そこに映し出されていたのは、薄汚れた路地裏で衛兵に連行されていく男――元勇者ライオネルの姿だった。
『速報です。元Sランクパーティ【天聖の光剣】のリーダー、ライオネル容疑者が詐欺および無銭飲食の疑いで逮捕されました。調べに対し容疑者は「俺は勇者だ! 俺のカードが使えないはずがない!」と泣き叫んでおり……』
「あちゃー……落ちるとこまで落ちたわねぇ」
聖女・ソフィアが呆れたように言う。
「……自業自得、です」
剣聖・リンが冷たく呟く。
「ククク、
魔導王・アリスが憐れみの目を向ける。
画面の中の元勇者は、かつての輝きなど見る影もない。 一方、俺の手元には、彼女たちが稼ぎ出した莫大な報酬と、穏やかで温かい(そして少し騒がしい)日常がある。
「さて、と」
俺は空になったカップを置いた。 無能だと罵られたあの日。 あの日こそが、俺の人生の『再スタート』だったのだ。
これは、管理しか取り柄のなかった俺が、 世界最強の「残念な」少女たちをプロデュースし、 彼女たちに依存され、愛されながら、 元パーティを見返す――そんな、逆転の記録だ。
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