島野助之進のバーチャルウォー

YOUTHCAKE

バサラ

『ややッツ?ここはどこだあ!?』と彼は戸惑った。なぜなら、突如、意識は別世界に飛躍して、脈絡なく戦国時代に着陸したのである。しかし頬をつねってみても、膝頭を叩いてみても、やはり痛みはある。これが現実なのか?


そして、彼は水たまりに自らの姿を映した。『何いいッツ?!これが、俺かッツ!!?』と驚いて見せたのは、彼の姿がまるで田舎侍の風貌をしていたからである。身なりは貧相だが、腰には大ぶりの脇差が仕込まれており、彼の落ちた世界が侍の世界であることを納得した。


『しかし、どうなっているんだッツ。これはッツ。』と思う間もなく、彼は敵に囲まれた。考える暇も何も、有ったものではない。


敵の一人は、岡持ちを担ぐかのように、両方の肩に大筒を背負っている。『もしや、あれは空に撃つ花火ではなかろうか…。』と島野助之進が呆けていると、あろうことかおもむろにてつはうを弾けさせたような音を張り上げながら、弾頭を撃ち出した。


『ご名答だ!散れ!!!』との彼の発声は、苛烈な音にかき消された。

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