大日本帝国版昔話

アーシア・スプリッグ

第1話 桃太郎(前編)

昔、昔、ある所におじいさんとおばあさんがいました。

おばあさんは川へ洗濯へ

おじいさんはお国の為に製鉄所へ


「ふぅ〜、疲れた疲れた。」


おばあさんは洗濯を終え、重い腰を持ち上げます。

すると…


-------どんぶらこ〜どんぶらこ〜-------


3尺ほどの大きな桃が、婆さんのいる下流へ流れてくるではありませんか!


「おやまぁ!大きな桃!」


おばあさんは3尺の桃を片手で持ち上げます

おばあさんはその桃を持って帰り、おじいさんに食べさせる事にしました。


「ただいま戻りました!」


「お帰り、おじいさん」


「待たせたな、婆さん少し藪用でな帰るのが遅れてしまった。」


「そんな事よりおじいさん、コレを見てください。」


おばあさんは川から拾った大きな3尺の桃をおじいさんへ見せる。


「どうしたんだい?この桃は?」


「川で拾ったんです。腐らないうちに食べましょう。」


「そうだな。」


おじいさんは、士官時代に使っていた九五式軍刀を取り出し、桃を一刀両断する。


「オギャーオギャー」


すると中から大きな赤ん坊が生まれました!


「オギャー!オギャー!鬼畜米英!オギャー!オギャー!」


「おぉ!なんと元気のいい赤ん坊だ!」


「おじいさんや、この子は絶対に立派な帝国男児に育ちますよ!」


15年後…


桃太郎と名付けられた赤ん坊はすくすくと育ち、立派な帝国男児へと育ちました。


その頃、町では…


「おら〜!石油を出せ〜!」


「キャー!キャー!」


「石油には火をつけてやるぜ!着火!」


町では鬼達が暴れていました。

鬼達は町の人々の石油を奪っては燃やしてを繰り返し、人々を経済的に困らせます。


それを知った桃太郎は…


「おじいさま、おばあさま、私は憎い鬼を退治しに旅にでたいと思います。」


「お…そうかい、そうかい。」


「気を付けるんだぞコレを持ってけ桃太郎」


おじいさんは桃太郎に、九九式小銃前期型を手渡します。


「ありがとうございます、おじいさま。」


「いいんだ、悪しき鬼を退治しに行くんだろ?」


「いえ、憎き鬼ですおじいさま。」


「桃太郎や、このきびだんごも持っていくんだよ。」


おばあさんは桃太郎にきびだんごを渡す。


「ありがとうございます!おばあさま。」


桃太郎はおじいさんおばあさんにお礼を言い、鬼退治へ旅にでるのだった。

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